教育現場ではイジメへの繋がり危惧する声も 氷水チャレンジで注意すべき4つの点

ksan

暑い夏も終わりに近づく中、近頃ますます拡がりを感じるのが「アイスバケツチャレンジ」

難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)の認知向上と患者支援を目的に、バケツで氷水をかぶった動画をソーシャルメディアで公開し、「次の挑戦者を3人指名する」というチャリティキャンペーンです。

指名された人は「氷水をかぶる」「ALS支援団体に100ドルを寄付する」「その両方をする」という選択肢があり、指名を無視することも可能となっています。

アメリカのセレブリティから始まった輪が日本の経営者や芸能人にも拡がり、今では一般人まで続々と氷水かぶり動画をアップしていますね。SNSで知人がチャレンジする模様を見たという人は少なくないでしょう。

しかし、この世界的なキャンペーンは現在、賛否両論となっており、“否”の立場の人たちから出ている意見のひとつが、「イジメに繋がるのでは?」というものです。

現在は夏休み期間中で学校がないものの、都内の私立高校に勤務する現役の教員・Kさん(33歳、写真)は、編集部の取材に次のように話してくれました。

「こないだ校内を歩いてたら、部活後のテニス部員たちがひとりの部員に3人くらいでバケツの水をかけてはしゃいでました。

この部員たちが普段から仲が良いのは知ってたのであまり強くは注意しなかったけど、もしかしたらやられてる本人は嫌がってるのかもっていう不安はありますよね。

チャリティーっていう冠があるので、そのあたりの判断や対応は難しいです。ただ、新学期が始まる前に今度教員でこれについて会議をしようという話にはなってます。生徒たちのあいだでまわってるかどうかの調査もするつもりです」

著名人が投稿したものも含め、この「アイスバケツチャレンジ」では、氷水のかぶり方を派手にするためか、他人から「水をかぶせてもらう」パターンの動画が多数あります。

このような構図が教育現場に悪影響を与えることを危惧しているとのことでした。

編集部では以前、「もしこのキャンペーンに指名されたら?」という質問に対して82%の人が「やりたくない」と答えたことを報じましたが、「この取り組みに共感しますか?」という質問に対する回答結果は以下の通りでした。

・共感する:15.7%
・違和感を覚える:84.3%

同じように、やはり8割を超える人が違和感を覚えているようです。そして、この回答者を別でとっていた「これまでに誰かをイジメたことがありますか?」という質問でクロスを切ってみると、

・イジメたことがある(共感する):20.0%
・イジメたことがない(共感する):13.8%

という数字が表れています。一概に断定はできませんが、先生方の危惧するように、「指名する」「他人が水をかぶせる」といったこのキャンペーンの持つ性格は、イジメとの関連性はゼロではないといえるかもしれません。

実際に、あるテレビ番組ではあまり乗り気ではない出演者に断れない雰囲気の中で氷水をかぶせるといった演出も見られています。

では最後に、今後もこのキャンペーンが席巻するとした際に注意しておきたい点について、先生の意見なども踏まえてまとめてみましたので、以下に記したいと思います。

1:誰かに「かぶせてもらう」のは控える

前述の通りです。かぶり方を派手にしたいという気持ちは理解できますが、そもそも派手さや面白さを競い合うものではないでしょう。

2:誰かを「指名」しない自由も

最近、自分は氷水をかぶっても、他の誰かを指名しない著名人も増えています。“チェーンメール的”とも言われるこの部分を控えることも立派な選択のひとつです。

3:指名するなら「事前」に承諾を

いきなり指名したほうがサプライズはあるかもしれませんが、相手には迷惑かもしれません。SNSで指名するとしたら、事前に電話やメールで許可をとっておいたほうがいいでしょう。

4:未成年者は指名しない。未成年同士でバトンを回さない。

未成年にとって100ドルは大金。また、自分で稼いだお金ではないかもしれません。大人が未成年を指名しないのはもちろんのこと、子供同士でバトンを回しあうのは、「ご両親の承諾のもと」に。

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2014年8月25日(月)
対象:全国20代~60代 男女ユーザー計300名

(取材・文/しらべぇ主筆・タカハシマコト

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