数字でも如実な子供の“冷え”増加 万病のもと”冷え”を防ぐ「温朝食」理想レシピ

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■冷えは万病のもと

我が家の書棚には、「体温を上げるだけで…」、「体温が上がると…」など、最近のトレンドを象徴するかのように「体温」に関する健康本や美容本が溢れています。そして、これらの本の中で共通しているのは「冷えは万病のもと」であるということ。「冷え」が体だけでなく、心、そして姿の在り方まで影響するということが、伝え方は違ってもベースとなっていることがわかります。そもそも、この「冷え」というものは、私たちには「漢方」で馴染み深く、心身の「病気の予防」を第一に考える東洋医学だけに存在するものなのです。

この「冷え」、漢方では「未病」として捉えられ、病気が芽生える初期段階の症状として重要視されています。今、「冷え」で悩む現代女性は、なんと全体の9割に及び、また低体温化も問題視されています。しかも最近の調査では、子供の「冷え」が増加傾向で、‘50年代の子供たちに比べ平均体温が0.5~1.0度も下がり、36度前後という事が報告されています。「冷え」がひどくなると、頭痛、肩こり、精神不安、不眠、疲れ、集中力の低下など、体だけでなく心の新たな未病も招き、終には「病気」という長く苦しむ結果となるのです。

「冷えは万病のもと」。子供たちが「冷え」体質から改善するには、私たち大人のサポートが必要です。それは、将来を担う子供たちの心と体の元気のためだけでなく、人生をより謳歌できる「やる気」を充たしてあげることにつながります。

■「元気」「やる気」、「集中力」を作りだそう!

「冷え」を未病として捉える漢方では、人が「気血水(きけつすい)」で構成されているという考え方があります。この「気」は、やる気、元気、そして英気を養うの「気」にあたり、すべての生命活動の根本的エネルギーとしてたいへん重要なものなのです。

「冷え」には血液が深く関係しています。漢方で「血(けつ)」は、体を温める血液としての役割だけでなく、「血」は「気」のサポートで血管を勢いよく走り、全身の隅々まで巡るとされています。つまり、「気血(きけつ)」が全身を巡ることによって、栄養だけでなく、元気、やる気を届け、免疫力アップで病気にならない体を育てているのです。

また漢方では、元気のもと「気」は、胃腸で作られるとされています。ということは、消化器官である胃腸を温かく保つこと、それが「未病」を防ぎ、「病」を予防する最も大切なことなのです。

胃腸を温かく保つのに貢献するのが、温かい食事です。特に、最も体温が低い「朝」は、1日を元気にスタートさせるために「温朝食」を摂る事が好ましいのです。けれども最近の朝食の傾向は、野菜ジュースやヨーグルトだけ等、体を冷やす食事が多く、これでは益々胃腸の働きも鈍り、「冷え」体質へまっしぐらです。特に、子どもたちには学力、登校意欲、集中力向上につながる「温朝食」がたいへん大事なものとなります。

■効率よく体を温める「温朝食」は何?

『炊き立てご飯にお味噌汁。焼き鮭とホウレンソウのおひたし』
懐かしさと同時に、私たち日本人が思い浮かべる理想的な朝ご飯なのではないでしょうか?

朝は大忙し!作りたいのは山々なんだけど、やっぱり時短したいという方に、実は「お味噌汁」はぴったり。お味噌汁は、英語で「MISO SOUP」、「SOUP(スープ)」は中国では「湯」と訳します。この「湯=スープ」と訳すのは、実は漢方薬の生薬を煎じた「湯液(とうえき)」が始まりです。「湯液」は、吸収性が速やかで効き目が早く、それを由来にもつ朝のスープは、お味噌汁ならずとも朝食には優れた、1日のギアアップに相応しいお料理なのです。

また、「お味噌」はそれだけで「薬膳」でもあり、元気の「気」を作り、お腹を温める作用があります。お父さんたちには二日酔いを解消する働きもあるのですよ。

漢方をベースとする「薬膳」。特別な生薬を用いなくても、私たちがスーパーで購入できる日常の食材だけで「病気の予防」を目指すメニューは簡単に作れるのです。先の朝食を例にとると、「鮭」は体の中から温めてくれ、ホウレンソウは貧血予防や血液を作ってくるので冷え対策にもバッチリ。お味噌汁の具にネギを加えれば、体を温め、頭痛やカゼの予防にぴったりです。

温朝食に薬膳の知恵をとりいれ、これからの寒い季節にやる気と元気、そして、集中力を養い、病気にならない体作りに励み、健やかな未来を作りましょう!

(文/国際薬膳師・余慶尚子 提供:温朝食ラボ)