喜び組が歌を披露 カンボジア・プノンペンの北朝鮮国営レストラン「平壌」に潜入!
2014年6月30日、カンボジアの首都プノンペンに「イオンモール」がオープンした。いままで巨大ショッピングセンターなどなかったプノンペンだけに、イオンモールの誕生は、カンボジアの経済成長を表すシンボルとして、大々的に取り上げられた。
街の様相も変わりつつある。ここ数年で日本食店が激増。富裕層のカンボジア人たちが車で乗り付け、日本食を楽しむ姿が多く見られるようになった。そんな中で、とあるレストランは変わらぬスタイルで営業を続けている。その店の名は「平壌」という。
北朝鮮が直営で経営しているという、聞くだけで怪しい朝鮮料理店だが、実のところ人気店らしい。外貨獲得のため北朝鮮が国営でオープンしたという「平壌」。プノンペン中心部からやや南に位置している。私がここへ訪れたのは今週のことだ。
夜19時、大宴会場のような店内は、ほぼ満席状態。我々のグループは予約していたため問題なかったが、飛び込みで来店していたら座れなかったかもしれない。
着席すると、朝鮮人らしき女性スタッフが注文を取りに来た。色白の朝鮮美女である。ホール内をうろうろしている他のスタッフもチェックしてみたところ、どれもこれも可愛い! さすが北朝鮮国内で“喜び組”として選抜されただけのことはある。
時間は19時40分。テーブルの上に並べられた朝鮮料理に舌鼓を打っていると、ステージに衣装をまとった女性が現れ、歌を歌い始めた。ついに喜び組によるショータイムが始まったのである。
素晴らしい歌声を聞かせてくれた先発の喜び組が下がり、続いては子太鼓を抱えた3人組の登場。トントコトコトコと、小気味のよいリズムとダンスを披露し、韓国や中国人客たちのテンションが徐々にアップ。その後も演歌を歌う歌手や、ウエディングドレスを着た5人組みによるコミカルなダンスなどで、客席は大いに盛り上がっている。
美人ばかりの喜び組、さすが男たちを喜ばせることにかけてはプロフェッショナルである。かくいう私も、北朝鮮を代表する美女たちを前に、興奮を隠すことが出来ず、一眼レフカメラを出してバシバシと美女たちを撮影。すると店員の女性がすっ飛んで来た。
「撮るんじゃない」
そうビシっと言って、去っていった。中国人やら韓国人はスマホで撮っていても何も言われていなかったところを見ると、「日本と北朝鮮、まだまだ埋まっていない溝があるのだろうか」と考えさせられた。
<SHOP DATA>
「平壌」
ADDRESS:N°400,St.Monivong BLVD,Boeung Keng Kang 1 Chamkanmom,Phnom Penh,Cambodia
TEL:012-27-74-52(韓国語)012-36-46-40(カンボジア語)
(文/しらべぇ海外支部・西尾康晴)