ワシの家にはテレビがない!②【溜池ゴロー、子育てこそ男の生き甲斐】

2014/11/12 11:30

しらべぇ_溜池ゴロー

前回、息子が生まれてすぐにテレビを捨ててしまったということを書いた。つまりそれは、ワシら家族が10年間テレビのない生活を過ごしてきたということを意味する。

当たり前のことかも知れんが、テレビを観ていないと、最近の流行などについていけないこともある。とくに現在テレビでウケている「お笑い」や「ギャグ」や「流行語」に関しては、明らかに時代遅れになってしまう。なので、テレビを捨ててから10年経過したワシの頭の中にある最新ギャグは、「ゲッツ!」「ヒロシです」である……(笑)。

今回は、テレビのない生活の中で、息子はどのように過ごし、その結果、今のところどんな10歳児に育っているかということを述べようと思う。もちろん、これから述べる息子の特徴がすべて100%「テレビがない」ことによるものとは限らない。それ以外の要素の影響も少なからずあるということは当然のこととして先を読んでいただければ幸いである。

で、ワシの息子の現在において、「テレビがない」ことが大きく影響したと思われる特徴をいくつか挙げてみると……

①よく喋る=自分の意見を述べる。しかし空気を読むのが下手である。

②流行に左右されない=皆と同じでなくとも平気。しかし、他人とちょっとずれていることもしばしばある。

③読書家である=というか本の虫。本を読むことが、彼の息抜きになっている。しかし、本を読んでいるときは人の話を聞かない。歩きながらでも読もうとするので、危なくて仕方がない。

「テレビがない環境で子供が育つこと」と、上記の特徴との関連性をワシなりに推測してみよう。読者の皆さんにも、子供にとってテレビのない生活というのは具体的にどういったものか想像してほしい。

まず、家の中で聞こえてくる会話は、テレビ受像機から流れてくる一方通行の声とは違い、すべて生身の人間が発する双方向の(声をかければ答えがかえってくる)声だけということになる。子供は音にとても敏感である。特に赤ん坊の耳は、常に家の中で聞こえてくる音に向けられている。当然、親が発する言葉が聞こえてくると、親のいる方向に顔を向け真剣に聴きだす。しかし、テレビから音が聞こえてくると、どうしてもテレビの方向を向くことになるだろう。

つまり、テレビのない空間で生活している赤ん坊は、必然的に親と向き合う時間が増えるということである。親が自分に話しかけていたり、親同士で話していると、子供は親の方向を見て、何を話しているか一生懸命理解しようとする。やがては自分も会話に参加したくなる。そして、何かを親に伝えようとする。当然、子供は言葉を早く話すようになり、意思疎通を楽しむようになる。やがては、①に記したように、良く喋り、自分の意見を述べようとする子供になっていく。

ちなみに、「家にテレビがない」と言うと、よく帰ってくる質問が3つある。


 

1.「世の中の情報はどこから得ているのか?」

これに関しては、当然、新聞とインターネットである。テレビよりもインターネットのほうが即時性が高いし、テレビのように知りたい情報が報道されるまで待つ必要もない。それにダラダラと無駄なCMを観なくてもいい。

新聞に関しては、新聞社にもよるが……朝、お父さんとお母さんが新聞を読んで会話をしていれば、自然と子供も興味を示す。親は新聞記事を子供に読んで聞かせることができる。子供に記事を読んで聞かせることは、やがて子供自ら新聞など文字媒体に目を通すようになる近道ではないかと、ワシは勝手に思っているのだが、テレビでは読んで聞かせることはできない

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2.「テレビにも子供が観るべき良い番組がたくさんあるけど、観せないの?」

世の中に良い番組がたくさんあることくらい当然わかっている。ワシは、「家にテレビがない」と言っているだけで、なにも「テレビ番組を一切観せない」と言っているわけではない。今の世の中、DVDもあればインターネット配信もあれば、YouTubeだってある。観たい番組があれば、ほとんど観ることができる。ワシら夫婦は息子に観せたい番組があると大抵観せてきた。

「ピタゴラスイッチ」「日本語で遊ぼう」など子供用番組はもちろん、「プラネットアース」などはDVDを全巻買いそろえたので息子が3歳か4歳の頃になんども観ていた。なので当時の息子は、今は亡き緒形拳さんの語り口調をよくモノマネしていたものだ(笑)

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3.「テレビを観てないと話題についていけないから可愛そうじゃない?」

中には、話題についていけないから「仲間はずれにされる」とか、「いじめられるのでは?」とまで言うお方もいたくらいだが……。ワシはこれに関してまったく問題ないと思っている。なぜなら、テレビ番組の話題だけで一日中会話が成り立つ社会などないからだ。

ましてや、すぐに気持ちが移り変わっていく好奇心旺盛な子供社会で、いつまでもテレビの話題だけが続くわけがない。そもそもテレビで話題になっている情報などは、アッと言う間に古くなり、皆の興味もすぐに次に移って行くもんだ。

もし、仲間はずれにされる可能性があるとしたら、「テレビがない」ということ自体かもしれんが、そんなこと言ったら、うちにはテレビだけではなく、ゲームだって車だってない。ないものだらけだ。だったら、モノを持っていないだけで仲間はずれにするような友達とはつき合わなければ良いだけである。

少なくともワシの息子はそういうスタンスなので、特徴②として書いたが、子供たちの間の流行には左右されないし、皆と同じでなくとも平気な息子なのだ。

冒頭にも書いたように、テレビがないと最新の流行に疎くなるのは否定できないが、それも全く問題ない。流行語や流行のギャグなど、しばらくすると、すぐに過去のものになってしまうものだ。なので、今では誰も口にしなくなった半年前に流行ったギャグも、10年前に流行った「ゲッツ!」や「ヒロシです…」も、同じく古いものには変わりないのである。

最近ワシが「じぇじぇじぇ」と撮影現場で言えば、スタッフから「溜さん、古!」と言われる。それくらい世間は流行ものにたいして冷たいのだ。一時期、「♪ど〜でもいいですよ♪」と口ずさむギャグがあったが、あの女性芸人はいったい何処に言ってしまったか…なんて♪ど〜でもいいですよ♪……そんなもんである。なので、小学生の息子にとってそのときに流行ったものなど、あっという間に過去のものとなるので、まったく問題にならない。

ワシは、20代の頃テレビドラマの助監督の仕事をしていた=青春時代はテレビ業界で生活させてもらっていた……。にもかかわらず、こんな風にまるでテレビを否定しているかのように書いているとバチがあたりそうなので、「テレビがない」ことに関してはこの辺りで書くのをやめることにする(笑)

で、息子の特徴③=「息子が読書好きである」ということだが、これに関しては、「どうすれば子供が本を読む子供になるか」というテーマで次回書くことにする。

今回は以上!

(文/溜池ゴロー

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