B級グルメとは言わせない! ミシュラン・ラーメン店の「日本を代表する」実力

2014/12/11 11:30

今年も『ミシュランガイド東京』が発売された。日本では2007年に初めて東京版が発行されてから早数年、今や関西、北海道、広島、九州にも広がっており、師走のグルメ界をにぎわす話題として定着した感がある。

大きく話題になるのは、ミシュランの象徴とも言える「星」をどこが獲得したか、失ったか…というところではあるが、昨年から東京版に登場した指標「ビブグルマン」も人気だ。「ビブグルマン」とは、星は獲得していないが、安価に(1食5,000円以下程度、とされている)最良の食事を取ることのできる、コストパフォーマンスに長けた店に与えられる評価。

1食数万円を超える星付きの名店も良いが、日々限られたお小遣いで生活する我々サラリーマンにとっては、懐に優しく、日本が世界に誇るレベルの味を堪能できる店のほうが、重要な情報と言える。

今年からそのビブグルマンに、日本を代表する食事としてラーメンも入っているのだ。今回セレクトされたラーメン店は22軒。これまでしらべぇラーメン取材班が紹介した『ソラノイロ』『伊藤 銀座店』も名を連ねている。

ラーメン好きの読者なら、この22軒のラインナップを眺めてみると「端麗醤油系」が多いことに、お気づきかもしれない。東京のラーメンには、豚骨系や味噌系、ベジポタ系などさまざまな種類があるため、このチョイスには「バランスを欠く」という声もある様だが、筆者は正当な選択と思う。

「観光ガイド」としての側面も持つミシュランガイド、さらに大衆的な部門なので、やはりその国を代表しつつ、あまりクセがないものが選ばれるべきと考えるからだ。

まして、今年は、ミシュラン・ラーメンの初年度である。来年以降、ラーメン都市東京の誇る更なるバリエーションが名を連ねる事を期待しつつ、今回は代表的な淡麗醤油系の一杯を紹介しよう。

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■オススメは「麺や維新」

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目黒の「麺や維新」が、それである。横浜にて開業し人気を博したこの店が、東京に居を移して1年あまり経つ。

濁ったスープと太麺が特徴の「家系」が幅を効かせる神奈川において、「神奈川淡麗系」と言われる、鶏をベースに魚介を加えた、澄んだスープを特徴とする系譜のラーメン店だ。ラーメン激戦区東京でも確かな地位を築いており、またスープや麺の見直しなど、常にそのラーメンを進化させている。

それが今回のミシュラン掲載につながったのか。醤油、ゆず塩、煮干し、と3種のラインナップが楽しめる。今回は「特醤油らぁ麺」を選択した。

透き通った琥珀色のスープに泳ぐ、滑らかな白い麺が美しい。低温調理された豚と鶏のチャーシューが2種、半熟味付玉子と、ワンタン、穂先メンマが乗る豪華な一杯だ。

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スープを啜ると、パーッと華やかな醤油が香り、やがて香ばしさが控えめにやってくる。生醤油を仕入れ、自前で火入れを行ってカエシを作っているという。

そしてその奥にあるのが鶏と魚介の香りだ。比内地鶏をベースにし、昆布や干貝柱など数種類の魚介から取った出汁を合わせた複雑な味わいは、醤油の強さに負けていない。どの要素も、押し出しが強い訳ではなく、高いレベルでバランスが取れていることがわかる。

やや平たいストレートの細麺は、北海道産の小麦を中心に、オーストラリア製の小麦を数種ブレンドしたという自家製麺。加水率多目で、口に入れた瞬間はそうめんの様だが、歯を立てればしっかりとしたコシを持っていることがわかる。

淡麗スープを更に引き立てる、繊細な麺だ。スープと麺、具材。すべてが繊細、まるで飲み物の様にグイグイと食べ進められてしまう。

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■サイドメニューは「飯」を頼め

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最近のラーメン店らしく、サイドメニューも充実。左から、チキンマヨ飯、鮪節月見飯、もち豚塩バラ飯。いずれも高いクオリティ。特にもち豚塩バラ飯は、炙った豚の脂と塩ダレが絶妙に絡み合い、これだけでも食べに来たくなる一品だ。

ミシュラン掲載店は、日本の食材の旨味を限界まで引き出した、確かに日本を代表する一杯と言える名品だった。食にうるさい日本人、特に世界中の食が集まる東京の舌を満足させる店として、日本だけでなく、海外にも誇りたい一杯だ。

住所:東京都品川区上大崎3-4-1 サンリオンビル 1F
営業時間:11:00~15:00 17:00~23:00 日曜定休

(取材・文/しらべぇラーメン取材班・ドラゴン=サン

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