【蔵元コラム】今が旬のしぼりたて新酒 アイドルとの意外な共通点とは!?

2014/12/22 17:00

しらべぇ1222酒アイドル

みなさん、こんにちは。宮城県栗原市で「萩の鶴」という日本酒を醸しております、萩野酒造8代目蔵元の佐藤曜平です。

師走のこの時期、酒蔵の軒下には新酒が出来上がった目印として「杉玉」が飾られます。

日本酒の多くは加熱殺菌(火入れ)されたものが一般的ですが、一度も加熱殺菌をしていない「生酒」も存在します。特に師走のこの時期には、「しぼりたて新酒」としてフレッシュな状態の「生酒」が多くの酒蔵から出荷されます。

前回のコラムを見て日本酒の販売店や飲食店に行ってみた方は、「しぼりたて新酒」を目にされた方も多いのではないでしょうか。

しらべぇ1222酒アイドル2※酒蔵によって「しぼりたて新酒」の表記が異なる場合があります。ここでの「しぼりたて新酒」は、加熱殺菌されていない「生酒」に限定します。「生貯蔵酒」や「生詰」といった別表記の商品や、炭酸ガスでシュワシュワしている商品は除きます。

「生」っていいですよね。生ビール、お刺身、お寿司、生野菜サラダ、どれもこれも美味しそうです。共通しているイメージとしては「フレッシュ・おいしい・特別感」といったところでしょうか。


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■まずは「しぼりたて新酒」について

・基本的に酒蔵は秋から春にかけての寒い時期にお酒を造ることが多いので、冬に出荷されることがほとんど。


・夏でもお酒を造れる冷蔵設備を持っているごく一部の酒蔵が、夏にも出す場合もある。


・フレッシュな期間は短く、すぐに熟成(生熟成)する。


・生熟成が進むとどんどん甘くなり、特有の生熟成香が出てくる。


・貯蔵温度が高いほど、味の変化(熟成)も速いので、冷蔵管理が基本。


・あえて生熟成させたものを出す蔵元や酒販店、飲食店もある。


・酒販店・飲食店スタッフの知識不足でテキトーに放置されている場合もよくある。

日本酒は、麹菌の作り出す糖化酵素の働きによってお米のでんぷんを糖に変え、それを酵母が食べてアルコールにしています。(この辺はまた改めてお話したいと思います)。

お酒造りの最後で「しぼる」ことによってお酒と酒粕に分離され、酵母は酒粕となるのでお酒のアルコール発酵は止まりますが、麹菌の糖化酵素は除去されずにお酒の中に残って生きています。そのため時間とともに甘く熟成されていきます。

アルコール飲料ですので時間が経ったからといってお腹を壊すことは基本的にありませんが、「生酒」というくらいですから、生野菜と同じようにデリケートなものだと考えてください。

でも、生酒ってどういう風に熟成していくのかイメージしにくいですよね?そこで、僕が「こんなんだろうな~」と勝手に想像するアイドルの人生と重ねてみました。


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■「生酒」の1日が「アイドル」の1年だったなら?

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※生酒の1日=アイドルの1年としています※加熱殺菌(火入れ)をするタイミングは、酒蔵の考え方によって様々です。

思いっきりざっくりですが意外と共通点が多いような気がしませんか?(笑)異論もあると思いますが、大人な方は聞き流してください。もちろん全ての生酒とアイドルがこうなるという訳ではありません。

ちなみに僕は、AKBとハロプロの区別も付かない人間です。

お酒の熟成具合の好みは人それぞれです。ガッチリと極低温で管理すればもっとゆっくりと熟成しますし、逆に暖かい部屋にほっとけばより早く熟成します。お酒もアイドルも、周りの環境が人生を左右するってことですね。

「しぼりたて新酒」のフレッシュさを楽しみたいのなら、必ず冷蔵庫で保管してさっさと飲んじゃうのが正解。でも、敢えて貯蔵温度を変えて生熟成を楽しむというのもまた一興かと思います。

「しぼりたて新酒」の旬は、まさに今です!! 飲んでおかないと損ですよ。

(文/萩野酒造・佐藤曜平

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