紅白、テラハ、ファーストクラス…視聴者引きつける副音声がテレビを変える?

2015/01/07 07:00

hukuonsei

2014年の大晦日に放送された『第65回NHK紅白歌合戦』において最も話題になっていることのひとつが、「副音声」の内容だ。

「紅白ウラトークチャンネル」と題され、お笑いコンビ・バナナマンのふたりが司会を務めたこの副音声。ステージで歌っているアーティストに合わせて熱唱するT.M.Revolution(西川貴教)や、軽妙なトークを聞かせたゴールデンボンバー、そして、それらゲストと絶妙な掛け合いを続けたバナナマンが大いに好評となっており、早くも次回の「紅白」でも副音声を担当して欲しいという声がネット上に多数あがっている。

「紅白」における副音声の最大の魅力は、なによりも、一緒に観ている感覚になれることだ。バナナマンのふたりが述べる「すげぇ」「やべぇ」「かっけぇ」などといった純粋な感想は、ひとりで番組を鑑賞する視聴者が誰かと共有したい感情であり、その欲求が満たされることで、ひとりで観ている“さみしさ”のようなものは払拭される。

そして、そのような効果を狙ったテレビ番組や映像コンテンツは、現在増加傾向にあるといっていいだろう

最も顕著な例は、2012年10月から2014年9月に放送された、シェアハウスを舞台に若者たちの生活を追ったドキュメンタリー番組『テラスハウス』(フジテレビ系)だ。ハウスに住む若者たちの夢を追う姿や恋愛模様をドキュメンタリー形式に映したこの番組だが、副音声では、その様子を見守る出演者たちの声をVTRと一緒に流していた

YOU、トリンドル玲奈、徳井義実(チュートリアル)、山里亮太(南海キャンディーズ)、登坂広臣(三代目J Soul Brothers)、馬場園梓(アジアン)という6人のレギュラーメンバーが副音声上で語る内容は、番組全体のオシャレな雰囲気と一線を画しており、出演者の行動へのツッコミや独特の言葉遊びなど、笑いにあふれたものだった。副音声を楽しみに観ていたという人も少なくないだろう。

また、ドラマでも副音声が目立った“活躍”を見せ始めている。

その作品が、沢尻エリカ主演のドラマ『ファースト・クラス』(シーズン1、2014年4月~6月、フジテレビ系)。このドラマは、作中に登場人物たちの“心の声”(ナレーション)が入る演出が多く、それだけでも副音声的な性格を持っていた。特に人気だったのは、「川島レミ絵」役を演じた菜々緒によるナレーションで、実際の副音声はよりその“心の声”に特化した内容で作られ好評を博した(第5・8・9話で放送)。

こちらも非常にユーモアあふれる内容となっており、「副音声」自体がザテレビジョンドラマアカデミー賞の特別賞を受賞するという偉業を成し遂げることとなった

これら目立った例のほかにも、アニメ『アンパンマン』、スポーツ中継、アニメや舞台のDVDなど、副音声を使って新たな見せ方を提示する作品は多数だ。

今回の「紅白」の“ウラトークチャンネル”が話題になっていることを機に、今後、副音声を使って視聴者に番組本体とは別の楽しみ方を与えていくコンテンツが増加していくかもしれない。

※画像は「テラスハウス – フジテレビ」のスクリーンショットです

(文/しらべぇ編集部

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