4色ペン使い分けただけで勉強した気に…教科書に下線引きすぎた失敗談集まる
「おーい、ここ重要だから下に赤線引いておけよぉ」。先生からのそんな指示を、誰もが一度は聞いたことがあるでしょう。
重要な部分に線を引く、もしくはマーカーを引く、というのは、日本人の教育・勉強において長らく受け継がれてきた習慣ですよね。ただ、これが学習するうえで“正しい方法”なのかどうかは、いまだに定かではありません。今回は、成人男女1500名を対象にこんなアンケートを実施してみました。
【教科書や参考書などで線を引きすぎて、どこが重要なのかが逆にわからなくなってしまったことがありますか?】
ある:25.5%
ない:74.5%
思わず「あるなぁ」と心の中で唸ってしまった人も少なくないと思いますが、全体で見るとおよそ4人に1人が経験者でした。では、年代別に見るとどうでしょうか?
【「ある」と回答した年代別の割合】
20代:33.0%
30代:26.7%
40代:24.3%
50代:26.0%
60代:17.7%
通常、経験率を聞くアンケートは年代が上がるに連れて数字が上がることが多いわけですが、今回は逆の結果となりました。20代が最も多く、60代が最少。この数字の乖離には、特にマーカーなど、文房具の発達があるのかもしれません。
さて、気になるのは、どのように「わからなくなった」のか?ということでしょう。しらべぇ編集部では、20代・30代の“線引きすぎ”経験者に話を聞いてみました。
「高校の頃、新しい4色ボールペンを買ってテンションが上がり、歴史の教科書に線を引きまくった。年号は赤、人名は青、出来事は緑、それ以外は黒って下線を引くことに決めてそれを実践してたら、『勉強する』より『線を引く』ことのほうがメインになってしまい、線を引き終わったら満足して寝てしまって、結局テストは散々な点数だった」
(28歳、男性)
これは“あるある”ですね。色分けして線を引く暇があったら、その数ページを何回も読んだほうが断然効果があるでしょう。4色ボールペンによる失敗は、まさに“文房具の発達”による弊害といえるかもしれません。
「塾の現代文の授業で、先生が『最初に読むときに、筆者が自分の意見を記している部分には線を引きましょう』って言ったので、それに従って線を引いていったら、ほぼ全文が線で埋まりました。その後先生の解説を聞いたら、筆者の意見が記されている部分は実際には3文くらいしかなくて、線だらけになった僕のプリントを見て友達が爆笑してました」
(30歳、男性)
まさに、「どこが重要なのか分からなくなる」の典型ですね。先生も教えがいがあったことでしょう。
「数学の教科書に緑のマーカーを引きまくって、公式だけじゃなく公式の名前とかにまでマーカーしちゃった結果、赤い下敷きで隠したら何がなんだか分からなくなった。ただ黒い部分で埋まってるだけの教科書になったので、結局隠す用の下敷きは使う意味がなくなった。我ながらバカすぎる」
(28歳、女性)
定番の緑マーカー&赤下敷きを使う勉強法ですが、隠さなくていいところまで線を引いてしまうというのも、“あるある”ですよね。
成績優秀な人は教科書に線をほとんど引かず、きれいな状態を保つ。これはよく聞かれる話ですが、上記の体験談を見ると、その“説”も納得できそうですね。学生のみなさん、そして資格取得などに向けて現在勉強中のみなさん、線を引くべき箇所はしっかりと見極めるようにしましょう。
(文/しらべぇ編集部)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年2月13日(金)~2月16日(月)
対象:全国20~60代
男女1500人