やりすぎ? 妥当? 原題を完全無視した日本語版映画タイトルはなぜつけられる?

2015/03/09 08:00

皆さんは、海外映画の「原題」に注目したことはありますか? 実は、日本人向けに作られている映画のタイトルは、本国版の日本語訳どころか、全く違うものになっているものがたくさんあるのです。

当然ながら、タイトルは作品のヒットを大きく左右するもの。そこで今回は、「このタイトルでは、たしかに日本ではヒットしなかったかも…」と思わず納得してしまいそうな、ビックリ原題をご紹介します。


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■最近大ヒットしたあの作品は?

●『アナと雪の女王』⇒原題『Frozen』

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画像はAmazonの『アナと雪の女王』『Frozen』ページより。

「ありの~ままの~」というシンプルなメッセージで、日本中を虜にしたこの作品。2人のヒロインを中心にしたことはディズニー作品としても画期的で、「王子様を待ってるだけのプリンセスじゃいないのよ!」と、鼻息を荒くした女子も多いはず。

しかしこの作品の原題は『Frozen』、つまり「凍った」「極寒の」という意味。私たち日本人には、『Frozen』では全くどんなストーリーなのかわからないのではないでしょうか。


●『ベイマックス』⇒原題『Big Hero 6

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画像はAmazonの『ベイマックス』『Big Hero 6』ページより。

白くて抱き心地が良さそうな癒し系ロボ”ベイマックス”と、心を閉ざした少年ヒロとの交流を描いたハートフルドラマとして、日本では宣伝されました。

しかしその『ベイマックス』の原題は『Big Hero 6』。癒しのカケラも見出せないどころか、どこから「Hero」や「6」が出てきたのかわかりません。アメリカでは元々「ヒーロー戦隊もの」だった『ベイマックス』の、アメリカと日本での作品の打ち出し方の違いが出ています。


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■原題を直訳したら反感買いそうな作品

●『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』⇒原題『THE MUMMY

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画像はAmazonの『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』ページより。

インディジョーンズシリーズを彷彿とさせる、1999年に公開されたアドベンチャー作品。ヒロインにはアカデミー賞を受賞したレイチェル・ワイズ(シリーズ3作品中、2作品まで出演)、悪役にはドウェイン・ジョンソン(作品出演時は、まだザ・ロックと名乗っていました)、ジェット・リーが出演していた、隠れた豪華作品でもあります。

そんな本作の原題は『THE MUMMY』、ズバリ「ミイラ」です。確かにストーリーの核になるのはミイラですが、これだけでは「ホラーなの?」と勘違いしてしまうかも。


●『そんな彼なら捨てちゃえば?』⇒原題『He’s just not that into you.』

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画像はAmazonの『そんな彼なら捨てちゃえば?』『He’s just not that into you.』ページより。

女子の間で密かに語り継がれるのが、この作品。「Sex and the City」が好きな方なら、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

そんな本作の邦題は、あくまで女子目線かつ上から目線。男子を少し小馬鹿にした印象すらある「そんな彼なら捨てちゃえば?」です。しかし、原題は180度異なる「He’s just not that into you.」、つまり「彼はあなたに興味がない」。

恋愛における考え方の違いを表したような原題と日本語の違いですが…直訳のままでは、日本の女子たちが映画館で暴動を起こしてしまうかもしれませんね。


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■意味深すぎて意味不明な作品

●『チョコレート』⇒原題『Monster’s Ball

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画像はAmazonの『チョコレート』『Monster’s Ball』ページより。

2002年に日本で公開されたこの作品。主演をつとめたハル・ベリーが、アフリカ系アメリカ人として初めてアカデミー主演女優賞を受賞したことでも話題になりました。

タイトル「チョコレート」の可愛らしい印象とは打って変わり、この作品のテーマは人種差別や死刑制度という、かなりシビアな内容です。

日本公開時は、作品中で効果的に使われていた“チョコレート”をタイトルにもってきたわけですが、原題は「Monster’s Ball」つまり「怪物の舞踏会」というおどろおどろしいもの。しかもこの意味は、死刑執行前に看守たちが行う宴会、という意味だそうですが、日本人には馴染みにくいのかもしれません。


●『塔の上のラプンツェル』⇒原題「Tangled」

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画像はAmazonの『塔の上のラプンツェル』『Tangled』ページより。

森の中にある高い塔に閉じ込められている少女ラプンツェル。ある日出会った青年に外に連れ出してもらったことで、新しい世界を見る、というストーリーの映画です。

主人公の特徴を端的に表した「塔の上のラプンツェル」とは打って変わり、原題は「Tangled」、「もつれた」「絡んだ」という何とも意味不明なものとなっています。確かに、主人公の髪は身長を優に超える長さがあります。絡まって当然のものですが、それをタイトルにしてしまっては何とも味気ないですね。

DVDのパッケージでの目つきもだいぶ雰囲気が違います。


日本で公開される時は、ほとんどの場合原題とは変わってしまいます。しかし、映画の冒頭部分やパンフレットに原題はクレジットされているので、これからはぜひ原題にも注目してみてはいかがでしょうか。制作者たちが何を一番訴えたいのかを、垣間見ることができるかもしれませんよ。

(文/しらべぇ編集部・白倉みのり

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