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【法律コラム】殺人罪になることも!? 駅員が語る「鉄道トラブル」の実態

コラム

しらべぇ0412鉄道3©iStock.com/EyeEm

来月には、みなさんお待ちかねのゴールデンウィークがやってきますね。

帰省や旅行で「鉄道」を利用する方も多いことでしょう。そんな、多くの人の生活になくてはならない存在の「鉄道」の日常と向き合っているのが、各鉄道会社の職員さんたちです。

実は、最近駅構内やホーム、あるいは電車内などで発生するトラブル、いわゆる「鉄道トラブル」が増えているという話をよく耳にします。

今回は、実際に首都圏の鉄道会社に勤務する職員Aさんに「鉄道トラブル」の実体験を赤裸々に語っていただくとともに、法律的な観点からそのトラブルを解説していきたいと思います。心当たりある方は、ご用心ください(笑)・・・。

 

Aさんの体験談1】記憶がない? 突き飛ばしておきながら・・・

しらべぇ0412鉄道2photo by Dick Thomas Johnson

私は某駅のホームにて列車の到着・出発の際の安全確認をしていました。

 

電車が数本出発して線路内に異常がないことなどを確認していたときのことです。突然、ホーム上を歩いていた男性が助走をつけて私を突き飛ばしました・・・。

 

その瞬間は、気が動転して何が起こったかのか、すぐには理解できませんでした。近くにいた私の先輩が、その男性を呼び止めようとしましたが、その男性はなんと、逃走を図ったのです。

 

先輩はその男性を追いかけましたが、当時新入社員だった私はどうしてよいかわからず、ただただ立ち尽くしていました。

 

結局、私を突き飛ばしたその男性は、先輩たちに取り押さえられ、駆け付けた警察官によって逮捕されました。

 

その人はお酒に酔っていて、なぜ私を突き飛ばしたのか分からなかったと話したそうで・・・。突き飛ばされた瞬間は何が起こったかわからず、ただ気が動転していました。

 

そして、時間が立つにつれて「もし線路に転落していたら…」「もし電車が到着間際だったら…」と思うと、恐怖が後からこみあげてきたのです。

 

【解説】

本当に怖い話ですよね。一歩間違えば、Aさんの命にかかわる事件といえます。鉄道を利用するお客様の安全を第一に考えてお仕事されている駅員さんたち。時にこうして大変危険なトラブルに巻き込まれてしまうこともあるのですね。

さて、今回のように、駅員さんを突き飛ばした行為は、「暴行罪」や「傷害罪」で処罰される可能性がありますし、過去には「殺人未遂」として逮捕されたケースもあるのです!

「お酒を飲んでいたから…」「記憶がないから…」は理由になりません。

 

Aさんの体験談2】腹いせに唾を吐きかけられた

 

とある駅でお客さまの乗降を確認してドアを閉めました。

 

すべてのドアが正常に閉まったことを確認し、列車が動き出して少しした時のことです。ホーム上から列車に近寄ってくる人が・・・。

 

そして、なんと、いきなり、ホーム上から私に向かって唾をかけてきました。おそらく、電車に乗ろうとして、間に合わなかったことの腹いせではないかと思います。

 

【解説】

一般的に、「人に唾を吐きかける行為」は、人の身体に向けた有形力の行使にあたり、刑法208条暴行罪となる可能性があります。

また、駅の車掌に唾をはきかけた場合は、「暴行脅迫ヲ以テ鉄道係員ノ職務ノ執行ヲ妨害シタル者ハ1年以下ノ懲役ニ処ス」という鉄道営業法38条の規定に違反するものとして処罰される可能性があります。

八つ当たりしても誰の得にもなりません。心に余裕を持ちましょう。

 

日々、命がけ

今回、インタビューさせていただいた鉄道会社の職員のAさんは、このほかにも、「発車しかけた電車をバンバン叩く」という危険行為に及ぶ人の対応に当たったこともあるそう。

日々「命がけ」で、私たちが快適に鉄道を利用できるように頑張っている鉄道会社の職員さんたちにもっと感謝しなくては・・・。

頑張る彼らのためにも、「酔った勢いでつい」とか「むしゃくしゃしていた」なんて理由で「トラブルメーカー」にならないようにしましょうね。

(文/弁護士・佐藤大和

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