一発屋をバカにするな! 「P.S.I LOVE YOU」の熟女バンドは実にロックだった

2015/05/03 11:00

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中二の頃から、オーケンこと大槻ケンヂと彼のバンド筋肉少女帯のファンだ。オールナイトニッポンを聴いて人生が変わってしまった。それ以来、オーケンを崇拝して生きて来た。

私が好きな彼の名言は次の2つだ。

「ロックバンドの解散とプロレスラーの引退は信じちゃいけない」

「でもさ、ミュージシャンでさ、一発屋とか言い方するけどさ、一発もないミュージシャンが多いわけだから、一発あるだけですごいよ。俺一発無いもん」

うむ、実に言い得て妙である。前者に関していうと、ロックバンドの「奇跡の復活」なるものがよくあるわけだが、いまやたいていのグループは再結成があるわけで、実は「奇跡」ではなく、お約束なのじゃないかと思ったりする。

イーグルスなどは「地獄が凍りついてでも再結成はない」と言っていたのだが、再結成した。その時のアルバムのタイトルは『ヘル・フリーゼズ・オーヴァー(地獄は凍りついた)』だった。うむ、いい開き直りだ。

国内外で沢山のバンドが再結成されている。もう何があっても驚かない。まあ、BOØWYが再結成したらさすがに驚くけどな。

プロレスラーの引退もそうで、何度も復活するのがお約束になっている。それこそ、大仁田厚などは「信じる奴が悪いんじゃ」と開き直り、何度も復活している。

後者についてもなかなか深い。


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一発でもヒットを飛ばした人は偉い

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そう、一発屋と言いつつ、一発がある奴はすごいのだ。どの分野においても、沢山の創り手がいるわけだ。創り手を目指していても、プロとしてデビューしていない人もいる。そんな中、一発でもヒットを飛ばした人は偉い

やや縁起の悪い話、不謹慎な話ではあるが、一発でもヒットがあると、新聞のお悔やみ欄でも「◯◯という曲で知られる◯◯さん」と紹介されるわけだ。

ややこれに近いが、「◯◯は時流にのっただけ」という批判も、私は筋違いだと思う。いや、売れていても実力が怪しい人は多数いる。ただ、「時流にのる」ということは、それもまた実力や運があるわけで。

だから、実力はともかく、時流にのっていることは評価するべきだと思うのだ。

ここまでは前書きだ。実は、このオーケンの2つの名言を同時に実感するという稀有な体験をしてしまった。

SHOW-YAが主催する「NAONのYAON2015」という野外ロックイベントに夫婦で行ってきた。そこはまさに、バンドの復活と、一発屋のすごさを体感できるイベントだったのだ。


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参加者がとにかく豪華!

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簡単に説明すると、これは、ガールズロックのイベントで出演者は女性だらけだ。1980年代後半から開催されていたが、SHOW-YAのメンバーチェンジや活動休止によりいったん休止。何度か復活し、2013年からは毎年開催されるようになった。

なんせ、参加者が豪華である。女性ロックの現在・過去・未来をつなぐイベントだとも言える。

FRiP、Gacharic Spin、仮面女子など、最近話題のグループから、土屋アンナ、田村直美、中村あゆみ、山下久美子、相川七瀬、杏子、もちろんSHOW-YAなど、とにかく豪華。

MCとして神取忍が登場。さらには、サプライズゲストでピンク・レディーの未唯mieまで登場したのだった。最新型のジャパニーズガールズロックから、懐かしいナンバーまでひと通り楽しめるイベントだった。

Facebookにこの件を書いたら、みんな行きたがっていた。来年もたぶん開催すると思うので、YOUも来ちゃいなよ。

その中でも、圧巻だったのは、PINK SAPPHIRE(ピンクサファイア)だ。

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そう、イカ天からデビューしたあのバンドである。メンバー全員、40代半ばで名実ともに熟女。なんでも、お子さんが大学生というメンバーもいるとか。2014年に再結成していたのだった。

これがまた、最高にロックだったのだ。フジテレビのドラマ「キモチいい恋したい!」の主題歌になった「P.S. I LOVE YOU」が大ヒットしたわけだが、言ってみれば、一発屋に近い。

しかし、この一発があるのとないのとでは大違いなのだ。出てきた瞬間「PINK SAPPHIREだ!」と、みんなに喜ばれ、「P.S. I LOVE YOU」でいきなり大合唱だったのだ。

私も一緒に歌い、拳を振り上げてしまった。再結成バンド、一発屋、恐るべしである。

なんでも、9月22日にはデビュー25周年記念ライブを渋谷でやるそうだ。観に行こうかなという気分になってしまっている。

やばい、空前のPINK SAPPHIREマイブームがきている。俺はいま、最高に感動している。というわけで、再結成、一発屋も悪くないものですぞ。我々凡人はまず、一発をめざそう。

(文/常見陽平

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