【映画『海街diary』で二作目】女優・夏帆が達成しそうな「ある記録」とは?

コラム

2015/06/18 07:00

sirabee0618umimachi3-1画像はYouTube(海街diary予告篇)のスクリーンショットです

カンヌ国際映画祭では惜しくも受賞を逃したものの、6月13日から全国で絶賛上映中の映画『海街diary』。

父の死を機に、長女、次女、三女と腹違いの異母妹四女が、鎌倉で一つ屋根の下、同居しはじめるストーリー。四姉妹役を、上から綾瀬はるか長澤まさみ夏帆広瀬すずの豪華女優陣が演じることでも話題だ。

本作品は、昔から数多く作られて来たいわゆる「四姉妹もの」の系譜に位置づけられる。

今回注目したいのは、三女・千佳役を演じた夏帆について、今後「ある記録」の達成が期待出来る、という件である。


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■「四姉妹もの」はあるが「五姉妹」はない

sirabee0618umimachi画像はYouTube(海街diary予告篇)のスクリーンショットです

記録の話をする前に、まずこの「四姉妹もの」について考察したい。現実世界ではかなり珍しい例にも関わらず、フィクションの世界では、なぜか四姉妹が数多く存在する。

もちろんスケバン刑事の風間三姉妹など「三姉妹もの」も多いのだが、それ以上に「四姉妹もの」は多い。しかし「五姉妹」となると途端に皆無になる。(『渡る世間は鬼ばかり』くらい)

少子化のご時世、四姉妹も五姉妹も現実離れしていることには違いないはずだが、四姉妹ものばかりが現代にいたるまで脈々と作られ続けているのだ。

これは、世界的には1868年のオルコット作「若草物語」、日本的には1948年の谷崎潤一郎作「細雪」の影響が大きい。

大抵の四姉妹ものは、この両四姉妹代表作を手本に、おおむね、保守的な長女奔放な次女個性的な三女甘えん坊な四女、という性格分けの四姉妹が登場する。

キャラクターの書きわけがしやすく、女優が四人共演する華やかさもあって、ここまで四姉妹映像作品が定期的に量産されてきたと考えられる。


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■四姉妹作品に何度も出演した女優は少ない

実は、夏帆は今回の『海街diary』の出演で、四姉妹ものは二作目となる。

前回は、2008年のテレビドラマ『四姉妹探偵団』で四女・夕里子役を演じており、これで彼女は四女と三女を制覇したことになる。

sirabee0618umimachi3画像出典:Amazon

私が彼女に期待する記録というのは、今後ぜひ、長女、次女も演じていただき「四姉妹グランドスラム(完全制覇)」を達成して欲しい、ということである。

四姉妹ものがこれだけ多く作られているにもかかわらず、これまで映画・テレビドラマの四姉妹作品に複数回出演した女優は少ない。

目立つ例で言えば、

八千草薫:1959年ドラマ『細雪』で四女、1979年ドラマ『阿修羅のごとく』で次女役


黒木瞳:1994年ドラマ『クニさんちの魔女たち』で長女、2003年映画『阿修羅のごとく』で次女役


深田恭子:2002年ドラマ『おとうさん』、2003年映画『阿修羅のごとく』でいずれも四女役

くらいである。

まずそもそも、四回以上四姉妹もののオファーを受けるというのが確率的に低い。

加えて、この四姉妹グランドスラムの難しさは、長女から四女までキャラ設定がほぼ固定化している中、全てのイメージに合わせられる女優はなかなかいないという点だ。

上記の例でも、深田恭子は四女キャラから脱することが出来ず、二度とも四女を演じるはめになっている。

もちろん、年齢を重ねていくことで徐々に末っ子からイメージを変えられればよいのだが、そのタイミングと四姉妹ものの出演タイミングが合うとは限らない

また通常であれば、年齢順で四女→長女へステップアップしていかねばならない。

そのため、黒木瞳のようにいきなり長女がスタートラインだとその後に三女・四女とステップダウンしていくのは難しい(2014年昼ドラ『ほっとけない魔女たち』のように36歳の釈由美子が四女という例もあるので、望みはゼロではないが)。

うまく四女から開始した八千草薫も、20年空いてしまったがゆえに、三女を飛ばして次女まで行ってしまった。

sirabee0618umimachi7画像はYouTube(綾瀬はるか、長澤まさみらが4姉妹に 映画『海街diary』予告編)のスクリーンショットです

今回、夏帆は、四女から7年後に三女という絶妙なタイミングで四姉妹ステップアップを果たした。

彼女の女優人生が今後何十年と続き、いつかグランドスラムを達成する日をこの目で見てみたい。恐らく、そのとき彼女はしっかりもので保守的な長女の雰囲気になっていることだろう。

(文/前川ヤスタカ