日中・日韓どちらの「関係改善」を優先すべき?大きな差が開いた理由は…

2015/06/24 07:00

反日デモ2012

画像出典:Wikipedia

領土問題や歴史認識をめぐって、隣国との対立が深まる日本。韓国とは、ようやく6月21日、現政権下で初めて韓国の外相が来日して日韓外相会談が開かれ、やや関係改善への動きも見られる。

周辺諸国との関係が落ち着くことは、日本の安全保障にも影響してくるが、国民がより危機感を覚えているのは、日中・日韓関係のどちらなのだろうか?

全国20〜60代の男女、1671名を対象に調査を実施した。


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■中国との関係悪化を危惧する声が2.6倍

日中日韓

「中国・韓国、いずれの関係修復を急ぐべきか?」という質問に対して、7割以上が「日中関係を優先」と回答。「韓国と」と答えた人の約3倍に迫った。性別・世代別の大きな違いは、見られない。


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■日中の貿易額は日韓の3.6倍

政治の対立が、経済活動にまで影を落としている状況ではないが、中国は輸入で1位(全体の22.3%)、輸出で2位(18.3%)。

韓国も中国ほどではないが、輸入で6位(4.1%)、輸出で3位(7.5%)と貿易総額の中で大きな割合を占めている。

日中日韓の貿易

また、円安効果もあってか、中国・韓国からの入国者は、ともに大きな割合を占め、日本からの旅行者もそれぞれトップクラスだ。

日中日韓の旅行者


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■「揉めたくない」恐怖心のあらわれ?

尖閣諸島

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中国との関係改善を「対韓国より急ぐべき」と考える人が多いのは、経済規模や貿易依存度の高さだけが理由ではないだろう。

ともに米国と同盟関係にある日韓が、たとえ領土問題があるとはいえ、軍事衝突に至るとは考えにくい。

一方、東シナ海では、中国の海洋巡視船が日本の排他的経済水域(EEZ)だけでなく、尖閣諸島周辺の領海にも侵入を繰り返しており、不測の事態が起きないとも限らない。

国会では、安保法制の審議が進み、国内の意見も割れている。今回の調査結果は、「怖い相手とは、可能な限りよい関係を保っていたい」という、日本人の平和志向のあらわれと言えるかもしれない。

(文/しらべぇ編集部・盛山盛夫

qzoo【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo
調査期間:2015年5月22日~2015年5月25日
対象:全国20代~60代 男女1671名

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