日本をまたにかけた「忍者プロジェクト」が始動！？ 忍者講座も開催するぞ！
2015/07/17 19:00
外国に旅行した際、現地の人との会話で、こんな経験はありませんか？
「もしかして日本人？ 君は忍術できるの？」
「日本では誰もやらないよ」
「えーっ！？ そんなことはないだろう？」
もしくは、空手など日本文化に興味のある外国人に話しかけられて…
「まあ、俺もひと通り格闘技はやったよね」
「へえ、何を？」
「空手、柔道、キックボクシング……あと忍術」
「えっ！？ 忍術？」
「日本って本場だろ？ 一回、日本に行きたいと思っているんだけど」
調べたところ、忍術教室らしきものはあるらしいのですが、格闘技としてはほとんど聞きません。
なぜ、日本の忍術教室は日本に（ほぼ）なくて、世界にはあるのか？ なぜ、日本の若者よりも世界の若者のほうが忍者に興味があるのか？
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■ 元観光庁長官の「おじさん忍者」が登場！？
そんなとき、日本橋の「三重テラス」で、忍者グッズやお酒などを販売しつつ、「伊賀忍者を語る」という変わったイベントを発見。さっそく、取材に行ってみました。
マイクを持って講演しているのは…なんと忍者の格好をしたおじさん！ もっと驚いたことに、忍者おじさんの正体は、元観光庁長官！
現在、大阪観光局長である溝畑宏さんでした。
簡単に溝畑さんのプロフィールをご紹介すると、昭和60年自治省に入省を皮切りに、大分県庁に出向。サッカーワールドカップの会場誘致や、Jリーグ「大分トリニータ」の設立に関わり、GM、社長も務め、ナビスコカップ優勝に導いたそうです。
どうやら、ただ者ではありません。
そして、平成22年、観光庁長官に就任。東日本大震災の復興事業を行い、退任後は、大阪観光局長のかたわら、「日本忍者協議会」設立に向けて尽力…！？
日本忍者協議会って……何？
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■ハットリくんとナルトの共通点は…
実はタイトルが「伊賀忍者について語る」だったので、伊賀忍者の秘密などを語る会なのかと思っていたのですが、どうやら忍者を使った観光事業のお話のようです。
「今までも、忍者と深い関わりのある各市町村は、それぞれPRをしてきました。とくに三重県と伊賀市は、今年、ミラノ万博で忍者を披露して喝采を浴びました。
しかし、オリンピック開催を迎える今、『世界戦略として、忍者をひとつにまとめていこう』と日本忍者協議会を立ち上げ、10月にはプロジェクトを始動しようとしています」
確かに、これだけ世界に忍者が知られているのに、国をあげて観光に結びつけないのはもったいないですよね。
「忍者のいいところは、まずプロフェッショナリズム。仕事に私欲を忘れて打ち込み、きちんと約束を守るところ。
そして、義理人情を大事にする。さらに運動神経だけではなく知的レベルも高く…諜報活動を行うCIAみたいな存在だったのでしょうね。
また、いつも戦っているイメージがありますが、平和を愛する集団であったことが分かってきています」
溝畑さんいわく、「忍」という一文字には、自分を抑え、土地を愛し、平和を愛する…そんな想いが込められているそうです。
「赤影、猿飛佐助、ハットリくん、ナルト……と時代によって忍者をテーマにした作品がたくさん描かれていますが、どれも共通するのは、日本人らしいプロフェッショナリズムと義理人情ではないでしょうか？」
おみやげは、忍者の保存食「固焼き」。なかなか割れませんがお煎餅とクッキーの間のような飽きのこない味。
ぞろぞろとお客さんが帰ると、職員さんが「くの一」を片付けはじめました。ちょっとシュールです。
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■今月、忍者講座を開催！
ちなみに、三重テラスでは、7月25日（土）13：00～15：00に、「忍者・忍術学講座 in Tokyo」なるイベントが開催されます。
忍者研究をされている三重大学准教授の吉丸雄哉さんによる講演「忍者像の形成と変遷」のほか、忍者もののゲーム開発に力を入れている遠藤琢磨さんと「ゲームが開く忍者の可能性」について語るそうです。
入場無料なので、忍者に興味のある方は、ぜひ！
【三重テラス】
東京都中央区日本橋室町2-4 浮世小路千疋屋ビル 1F・2F
（取材・文／しらべぇ編集部・白石あづさ）
