高くて買えない…そんな時に使う「エアー電話」【成瀬心美の嫌よ嫌よも愛のうち】
2015/08/08 17:00
みなさんこんにちは、成瀬心美です!
今回のテーマは、「エアー電話」です。きっと、みなさんの中にも経験ある人が結構いると思います!
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この間、あるオシャレな街中を歩いていたら、素敵で美味しそうな雰囲気のスイーツ屋さんを見つけまして、ふと入ってみたのです。夜から友達が家に来る予定だったので、「ケーキ買ってくぜ!!!」なんてテンションあげながら。
でも、いざ入ってみると、意外と店内は結構狭い…。そして、高い…。ケーキ1ピース1200円くらいするんです…。「あ、これはあかん!」と思ったんですけど、とき既に遅し。笑顔の店員さんが、「どんなスイーツがお好みですか?」って話し掛けてきています。
いや、すごいありがたいんですよ、話し掛けてくれるのは。でも、わたしにはケーキ1ピースに1000円以上使う余裕はないんです! 残念ながら、値札を見た段階で「何も買わない(買えぬ!)」という結論が出てしまってるんです!
しかし店員さんは、笑顔で話しながら接客。わたしは勝手に、その笑顔の裏に「おいお前、入ったからには1品くらい買ってけよわかんってんだろ?」というメッセージを感じ取ってしまいます。
そこで私が使った手が、「エアー電話」です!
※エアー電話とは… ある事情でその場を離れたいとき、電話がかかってきてないのに、まるで電話がかかってきたかのように振る舞うこと。アパレルショップなどで使うこともある。
エアー電話はまず、店員さんの話にすごく乗っている感じから始まります。
「へぇ~美味しそうですねぇ。うわーベリーとマンゴーで悩むなぁ…どっちがオススメです??? …あーーーなるほど! ならベリーかなぁ……ん??? あ、すいません、ちょっと電話が。あ、もしもし? あ、ついた?」
そう、“待ち合わせ”という設定で入ります。
「いまどこ? わたしはいまね、スイーツ屋さん。交差点ちょっと入ったところの。え、わかるでしょ? 大きな交差点だって!」
待ち合わせ相手がちょっと方向音痴な感じを出します。
「そう、その交差点のスーパーを背中にして左に行くの。え? ちがうちがう。え、なんでわかんないの?」
ここがポイント。このように、ちょっと怒ってるような雰囲気を出すんです。ア、リトル。みなさんお忘れかもしれませんが、これをわたしは全部ひとりでやってます。エアー電話ですから、受話器の向こうからは何も聞こえてきません。
「え、いまどこ? わかった、そこいて! そこから動かないで! ちょっといま迎えに行くから! いやいやそのまま電話切らないでいて!!!」
ふう。やっと、お店を何も買わずに出られる口実ができました。で、店員さんの方向に「すみません、また来ます!」というような表情をしてお店を出ます。
出られたときは、“解放感”を得るとともに、「あぁ、わたしにもっとお金があればなぁ…」としんみり思うわけです。
よし、1ピース1000円でも余裕で買えるようになるくらい、お仕事がんばろう!
ちなみに、わたしがこのエアー電話をしている最中、おばさま2人組がお店に入ってらっしゃいました。おふたりは、値札を見るなり、声に出して、「あら、ちょっと高いわね。すみません、またお金持ちなときに来ますね(笑)」とフランクに店員さんに言いながらお店を出て行きました。
わたしのエアー電話は、いったい何だったのでしょうか…? おばさま、ぉっょぃ…。
(文/成瀬心美)