なぜアニメキャラの私服はダサい?プロが考える2つの改善案

2015/12/04 11:00

ファッション業界の中では比較的アニメ好きな方のスタイリスト久保田(フランソワ)です、こんにちは。ちなみに今おすすめのアニメは「ハイキュー!」と「おそ松さん」です。

今や日本のアニメは世界に誇れる文化のひとつとして一般にも広く認知されて来ていますが、キャラクターのオシャレ度合い(服装)としては正直まだまだ発展途上と言わざるを得ないでしょう。

事実、ディープなアニメファンたちの間でも、定期的に「アニメや漫画キャラのダサい私服ネタ」で盛り上がっているようです。

https://twitter.com/milk_beeeee/status/628039987443830784

では、なぜここまで進化した世界トップクラスのジャパニメーション界において、キャラクターの私服がダサいままなのでしょうか?

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画像出典:Amazon

もちろん、「キャラ設定としてあえてオシャレ過ぎないようにしている」という場合もあるでしょう。しかし実際にはそうでないことも多く、ファンたちを「ガン萎え」させてしまうケースも散見されます。


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■推察1:必要がないから?

作品として服装まで気を回す必要性がない」という判断によるもの。バトルマンガや学園ものなど、毎回同じ衣装で済む舞台設定の場合に多く見られます。

そういうキャラクターがたまーに私服で登場すると、ギョッとするセンスを見せつけてくれることも少なくありません。

https://twitter.com/cyd_rtn/status/620434315432701952

他にもSF物などは、現代ではない時代が舞台なので「その時代にはこれがオシャレなんだ」と言い切ることができるので、私服のコーディネートにはあまり気を使っていないことも考えられます。


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■推察2:現場スタッフが服に興味がない?

アニメ2画像出典:Amazon

一生懸命それっぽい服を着せているのは分かるが、「これじゃない感」が半端ないケース。

その多くが、ファッション誌のコーディネートをまんまキャラクターに着せているというもので、この無理矢理着せられてる感は素人目にもすぐ分かります。

それがイケメンモデル設定のキャラクターだったりすると、「設定崩壊→視聴者がストーリーに入り込めない」という最悪の事態にも繋がりかねません。


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■なぜダサく見えてしまうのか?

生身の人間に対するファッションコーディネートと同じで、服そのものの組み合わせよりも、まず「対象者の顔と体に合わせた服選び」が最も大事。

ファッション誌でモデルさんが着てるコーディネートをそのまま着ると、なんか変…ということはよくあるでしょう。

それは、モデルさんの頭身バランスと一般人の頭身バランスが、大きく異なることが原因。2次元のキャラクターはリアル日本人とは全く異なる、「現実離れした」顔立ちです。

モデルさんとも、一般人とも、外国人とも違うアニメキャラには、当然それに合わせた適切な服選びとコーディネートが必要になります。ファッション誌から拾ったコーデをまんま着せても、まずチグハグになるに決まっています。

たまに偶然キャラとマッチしていい感じにキマってるケースもありますが…。


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■改善案①:どんなアニメキャラにも共通して使えるコツ

まず、服に使う色数を「2色以下」に絞ること。同時に原色などハッキリした色は使わないことです。アニメキャラの場合、髪や瞳にかなり強い色を使うことが多いため、服の色味と色数はなるべく抑えめにした方が全体の調和が取れるんです。

あとは「欧米人に似合うファッション」もアニメキャラと相性が良いです。具体的には、モノトーン&無地で、細身のシルエット(ピタピタにタイトなのはNG)がそれ。

日本のアニメには髪、肌、瞳の色、体系において、日本人より欧米人に近いキャラクターが多いからです。


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■改善案②:アニメキャラにもスタイリストを付ける

一番手っ取り早いのは「プロのスタイリストに依頼する」ことです。

といっても、実際にスタイリストがアニメやマンガキャラの衣装コーデをするというのは、あまり聞いたことがありません。

以前「おおかみこどもの雨と雪」というアニメ映画を見ていたときに、エンドロールに某有名スタイリストさんのお名前を見つけて驚いたことがありますが、かなりレアなケースだと思われます。

その作品は、確かに衣装がキャラクターに自然に馴染んでいて(決してオシャレすぎたりしない)、世界観の構築に少なからず影響を与えていたと感じました。

アニメ3画像はおおかみこどもの雨と雪公式HPのスクリーンショット

ここで難しいのは、やはり生身の人間とは違うのでそのキャラクターの動きや特徴をある程度把握してないと、マッチする衣装が選べないという点。加えてその作品の世界観も理解しておかないと、視聴者がどこか違和感を感じてしまうことになります。

スタイリストとしてはかなり異端な仕事になりますが、個人的にはぜひやりたいと思っています。ご依頼は、しらべぇ編集部まで(笑)

(文/久保田フランソワ

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