繰り上げスタートの基準は?箱根駅伝で聞く“あの言葉”を徹底解説
2016/01/01 09:00
※画像は日本テレビ「箱根駅伝」のスクリーンショット
正月といえば、箱根駅伝を楽しみにしている人は多いはず。各大学の代表選手たちが、2日間にわたって熾烈な戦いを繰り広げる大会だ。その人気ぶりから、例年、大会会場には大勢の人々が詰め寄る。もちろん、温かい自宅でテレビ中継を観るのも良いだろう。
しかしテレビ中継を見ていると、何やら聞き慣れない言葉がいくつも飛び出すはずだ。すると、
「往路で優勝…って、まだ大会終わってないよね??」
「なんかタスキ受け取らずスタートした大学いるんだけど!?」
なんて疑問がめぐり、頭の中がクエスチョンマークだらけになる。そこで箱根駅伝の本番前に、いくつか“駅伝ワード”を覚えておこう。それだけで中継への理解度が高まり、もっと箱根駅伝の観戦が楽しくなるはずだ。
■大会状況の把握に欠かせない基本用語
・「シード権争い」
総合10位以内に入った大学は“シード権”を得られ、来年の箱根駅伝で予選会に参加することなく出場が認められる。そのため優勝だけでなく、このシード権を巡る10位前後での戦いも見モノ。
・「繰り上げスタート」
各中継所でトップ通過から所定時間(往路:10分以上、復路:20分以上)が過ぎると、前区間の走者を待つことなく次区間の走者がスタートしてしまう。時には目の前で繰り上げスタートの様子を目にし、タスキを繋げなかったことに泣き崩れる姿も。尚、繰り上げスタートしたチームも、レース自体は継続される。
・「往路と復路」
箱根駅伝は2日間にわたって行われる。大手町から芦ノ湖へ、そして再び大手町へと戻ってくる往復217.9kmのコース。1日目の大手町〜芦ノ湖を“往路”、2日目の芦ノ湖〜大手町を“復路”と呼び、見事にトップで大手町までタスキをつないだ大学が総合優勝となる。
尚、往路・復路それぞれにも『往路優勝』『復路優勝』があるが、必ずしも総合優勝と同一の大学とは限らない。往路の優勝校を後続が追う、その逆転劇も見どころの一つだ。
・「ごぼう抜き」
1人の走者が、他校の走者を何人も抜き去っていくこと。例えば何らかのトラブルで遅れてしまった実力校が、中継後に本来の順位まで追い上げる際などに見られる。
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■場所を表す言葉
・「中継所」
走者がタスキを次の走者へと受け渡す(つなぐ)場所。箱根駅伝では鶴見・戸塚・平塚・小田原があり、小田原中継所は往路と復路とで若干場所が異なる。
・「談合坂」
各校ともエースが走る“花の2区”において、後半に訪れる難所。付近は、人気の観戦スポットでもある。
・「小涌園前」
温泉リゾートである小涌園前は、テレビ中継でもよく映される5区の人気観戦スポット。
・「遊行寺の坂」
復路における難所で、8区のラスト5kmほどにある地点で訪れる。
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■その他、箱根駅伝が楽しくなるプチワード
・「予選会」
箱根駅伝に参加できるのは、前年度のシード校と予選会での上位10校。予選会は例年10月に行われており、各校選手が20kmを走る。そのうえで、各校の上位10名までのタイムを合計し、予選通過はその合計タイムが少なかった10校のみ。例え1人だけ秀でた選手がいても、総合力が弱ければ予選は通過できない。
・「関東学連選抜」
シード校と予選通過校のほかに、関東学連選抜チームが編成される。そのメンバーは、予選敗退校のうち予選会での個人成績が良かった選手。ただしチームに選出されるのは、1校1名のみとなる。
・「大学三大駅伝」
出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝をあわせて『大学三大駅伝』と呼ばれる。このうち箱根駅伝はもっとも歴史が古く、第1回大会は1920年に開催された。
(文/しらべぇ編集部・三河賢文)
※本文中「繰り上げスタート」にかんする記述に誤りがございましたので、一部を修正しました。