【弁護士コラム】損害賠償が数億?芸能人の不倫が危険な理由

2016/01/18 10:30

©iStock.com/AndreyPopov
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レイ法律事務所代表弁護士の佐藤大和です。

最近、ベッキーさんの不倫報道がありましたね。不倫の真実はともかく、既婚者の家や実家に行くのは、あまりにも軽率な行動と言わざるを得ません。

当事務所では、多くの芸能人の案件を取り扱っております。そのなかでも一定数、不倫・浮気問題の相談や依頼を受けています。その際に、どんなに有名人であっても、皆さんに伝えることは「考えが甘い」ということです。

芸能人の不倫問題は、マスコミにとっては、格好のネタとなっております。そのため、不倫報道が一度でると、是非はともかく、連日、メディアでニュースになります。

でも、個人的には、袋叩きのような報道には、さすがにやり過ぎだと思っています。



 

■4割以上が問題意識アリ

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アンケートサイト「マインドソナー」で調べたところ、「芸能人の不倫報道はやりすぎだと思う」と答えたのは全体の44%

やっぱり私と同様に、やり過ぎと思っている人は多いですね。あのマスコミの追い込みの仕方はやはり問題ですよね。


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■法律上の不倫とは?

じつは法律では「不倫」という言葉はありません。法律上は「不貞行為」という言葉になり、簡単にいえば、「婚姻関係にありながら、自分の配偶者以外と性行為をすること」を指します。

なので、一般的に、手をつないだり、ふたりで食事をしたり、キスしても、それは法律上の「不貞行為」とはなりません。


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■芸能人の不倫(や不倫を疑われる行為)の代償は?

では、芸能人の不倫の代償はどのようなものになるでしょうか。ベッキーさんの報道にありますが、芸能人特有の代償として、CMが打ち切りになったり、レギュラー番組がなくなったりすることが考えられます。

なぜかというと、不倫をした場合、これは「世間(視聴者)のイメージ」が悪いため。

CM等の場合、「企業のイメージアップ」の一つとして、イメージキャラクターとして、芸能人を起用します。そのため、不倫をした芸能人をCM等で使い続ける場合、その企業のイメージまで下がる可能性があるからです。

だからこそ企業は、そのタレントのCM起用を打ち止めしたり、起用を打ち切りしたりします。また、CM等が打ち切りになった場合、芸能事務所等に対して、スポンサーから損害賠償や違約金の支払いを請求される場合もあります。

これによって、芸能事務所が傾く場合や誰かの責任問題にも。実際には、お金だけではなく、他のタレント等を代替させて、解決する場合もあるでしょう。


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■もちろん慰謝料の請求も…

さらに、これは芸能人以外も同様ですが、不倫した場合、不倫相手の配偶者から損害賠償(慰謝料)を請求される場合があります。

でも、損害賠償(慰謝料)を請求されても、裁判をした場合、不倫の中身が明らかになるため、芸能人の方は、基本的に争いをせず、お金を支払って終わりにする場合が圧倒的に多い

というのも、裁判は公開されるため、下手したら不倫の中身が週刊誌で書かれ、さらにタレントのイメージ低下になる可能性もあるからです。

ということで、芸能人の不倫(や不倫を疑われる行為)の代償はあまりにも大きいといえます。自分だけの問題ではないため、慎重な行動をしなければならず、軽率な行動はすべきではありません。


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■おわりに

不倫は芸能人であってもなくても、その代償はあまりにも大きいといえます。不倫はそんなに甘くないです。そして、不倫は法律上、「不法行為」となります!

テレビ等で不倫のドラマもありますが、弁護士としては、「不倫は身を滅ぼす」と思っています。不倫事件で得するのは、依頼を受けて報酬をもらう弁護士だけです。といったら、他の弁護士に怒られるかもしれませんが…。

(文/弁護士・佐藤大和

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