死亡確認をミスする『男塾』の王大人は医者としてどうなの?医師に聞いた結果

2016/03/11 12:00

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「死亡確認」と宣言し数々の負傷者を看取りつつも、なぜかその後無傷の体で復活させてしまうという、意味不明なスキルを持つ医者といえば、漫画『男塾』シリーズに登場する王大人(ワンターレン)だ。

本当に死んでないのに死んでいるのか、死んだ人を復活させているのかは「民名書房」でも読まない限り不明だが、実際に死人が蘇ることはあるのだろうか? 本物の医者から見て王大人は医者としてはアリなのか?

そんな疑問を晴らすべく、しらべぇでも連載する内科医の青木マダガスカル先生「死亡確認をミスしてるけど絶対に生き返らせてる王大人は医者としてどうなの?」と聞いてみた。



 

■死亡確認を絶対ミスするのに超高確率で蘇生する王大人は良い医者なのか?

「実際の死亡診断では、患者さんのご家族のまえで、瞳孔散大、心停止、呼吸停止といった死の兆候を確認し、死亡を宣告します。


技術的には難しくありませんが、万にひとつでも間違いがあってはならないので、普通の医者は慎重になります。死亡確認をミスする王大人は、言ってしまえば大雑把なのだと思います。


一方、多発外傷を負った塾生を高確率で蘇生させているので、外傷診療にたけているのは確かなようです。豊富な症例数が、彼を匠の域まで押しあげたのでしょうか。優秀なチームと高度な医療設備の存在も思い浮かびます」


死ぬほどヤバい怪我でも復活させてしまう王大人は、もしかすると医療設備やチームの優秀さにより、かなり助けられているのかもしれない。

だが、これは「本当は生きてた場合」のことである。実際に患者が死んでいたら、復活させることは可能なの?


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■死亡確認後に患者が生き返るのはよくある話なのか?

「低体温による心停止など特殊な例を除けば、現実世界ではまずありえません。


もし塾生くらいの少年が多発外傷で運ばれてきたら、若い命を救うために救急医はあらゆる手を尽くすでしょう。救命不能と認めざるをえなくなってはじめて死亡宣告を考えます。


王大人は自ら死亡確認後に全力で救命していると思われるので、あきらかに順番が逆です。『死亡』の意味をわかっていないのかもしれません」


なるほど、外傷で死んだ人が復活するのは、まずありえないということらしい。つまり王大人は医者にもかかわらず、「死」がどういう物か理解できていない可能性が出てきた。

男塾シリーズの『暁!!男塾』では王大人自身が死亡確認されてしまうが、なぜか復活するという意味不明すぎるケースが描かれていたが、医者が死にそうになって自力で復活するということはあるのだろうか?


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■医者本人が死亡確認されているのに復活する(多分自力で蘇っている)のは可能なのか?

「死亡確認が間違っていて、じつは『瀕死の重傷』程度だったとしても、そこから自力で回復するのは不可能です。


私が知っている救命救急センター長は、尿路結石になったとき痛みで動けず、救急外来のお世話になったと言っていました。


瀕死の王大人が何かできたとは到底思えません。やはり彼がリーダーをつとめる最強の医療チームがあるのでしょうか」


これまでの内科医の見解を聞くかぎり、結論としては「王大人自身は大ざっぱだがチームと医療設備がハンパじゃなく優秀」ということだ。

一度死んだと医者に言われたあとに、死んだはずの患者がピンピンした体で帰ってきたら家族はビックリしすぎて逆に死んでしまう可能性があるが、結果的には良い医者ということなのだろうか。

(取材・文/しらべぇ編集部・ロバ耳太郎

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