一家に一人はデング患者!?バリ島のデング熱事情

2016/03/28 10:00

蚊
©iStock/Sojvp2112

2014年に70年ぶりに日本国内での感染が確認され話題になったデング熱のことを、覚えているでしょうか? 筆者の暮らすバリ島では、雨季の10月~4月くらいまでの時季は、毎年デング熱が流行します。

実は、筆者もデング熱に罹患し入院しました。そこでも3人部屋の病室の患者全てがデング熱という、人気ぶり。日本では馴染みの薄い病気だけに、どのような症状があるのか、死に至る病気なのかなど、不安に感じる人も多いと思います。

実際にデング熱を経験した筆者が、症状や対策について紹介します。



 

■実録、デングの症状はこうなる

咳や鼻水などの前兆となる症状は一切なく、突然の発熱で始まります。筆者は一時39℃まで上がりましたが、高熱が出るのはほとんどの患者に共通する初期症状のようです。

筆者の場合は、発熱と悪寒に加えて手足が痺れ、起きていることができず、歩行も困難になりました。ただ発症間もないこの時点ではデング熱の検査はできないため、発症3日目の血液検査でデング熱と診断されました。診断の目安は、白血球と血小板の数値が基準を下回ったかどうかです。デング熱と診断されると、毎日採血をしてこの数値を確認することになります。

解熱剤のおかげで2日目以降は熱が37℃台に下がりましたが、全身の関節や筋肉の痛みと強い吐き気で睡眠がとれず体力も低下していきました。さらに発症当初はまずまずだった血液の数値が、4日目にガクッと悪くなり、5日目以降も改善することはなかったため入院するように促されました。


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■熱が下がってからがデング本番

名称から、熱が主な症状と思われがちですが、危険なのはむしろ熱が下がってからと言われています。

デング熱は白血球や血小板が減少して、免疫力が低下し出血しやすくなるのが特徴です。症状が重くなると歯茎からの出血や、ひどいときは輸血が必要になったり、死に至ることも。筆者も、歯磨きは控えるようにと言われました。

とはいえ、正しく対処すれば必要以上に怖がることはありません。そもそも、デング熱だからといって必ずしも入院に至るとも限らないのです。症状や血液検査の数値が安定しているかどうかによって、医師から要入院かどうかが指示されます。


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■他にもこんなにある、蚊が原因の病気

蚊が媒介する病気は、実はとても多いことをご存知でしょうか? マラリアや黄熱病が有名ですが、その他にも多くの病気が蚊が感染源となっています。

・日本脳炎
豚から蚊を媒介して人に感染します。脳炎を引き起こすと、死亡や後遺症が残る場合があります。ワクチン接種で予防することができます。

・ジカ熱
現在、アメリカで感染拡大が懸念されているジカ熱。ジカ熱自体の症状は軽く、自覚症状が表れない人も多い一方で、妊婦が感染した場合に胎児に影響が出ることがあります。

・チクングニア熱
デング熱と並んで、現在バリ島で流行中のチクングニア熱。こちらもデング熱同様に、出血を伴う恐れがあるので、現地ではデング熱よりも怖いと恐れられている感染症です。


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■免疫力高めの人はデングにならない?

黄熱病や日本脳炎など一部を除き、蚊を媒介する感染症には予防接種がない場合がほとんどです。そのため予防には、服装に気をつけたり、虫除けスプレーや蚊取り効果のある防虫剤を使ったりする以外に方法がありません。

しかし、筆者は常に蚊除け対策を入念にしていたにも関わらず、今回感染してしまいました。医師によれば、免疫力が低い場合に発症してしまうケースが多いとのことなので、日ごろから免疫力を高める対策が大切のようです。

もし罹患した場合には、早めに医療機関を受診することと、次のことを意識してください。

・野菜やフルーツをたくさん摂取する。
・水を1日2~3リットル飲む。

これらは血液の数値を高めるために有効だそうで、筆者も上記の二つを守るように指導されました。

日本でも気温が高くなると、どの地域でも蚊が発生します。海外旅行者が持ち込んだウィルスを蚊が媒介して感染してしまうこともあるので、蚊対策とあわせて免疫力アップも心がけてください。

(文/しらべぇ海外支部・平理以子)

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