若手世代の有給取得率は3割以下…ブラック企業の実態を暴露

2016/04/12 20:00

社員
imtmphoto/iStock/Thinkstock

アメリカ、フランス、インドなど26ヶ国と比較した、2015年の日本の有給取得率は60%と、ワースト2位。7年連続の最下位は抜け出したものの、世界的にも依然、低い取得率だ。

このように、世界的にみても「仕事を休まない」印象が強い日本人だが、しらべぇ編集部が新たに行なった調査によると、日本の有給取得率の現状が見えてきた。



 

■若手世代の有給取得率は3割以下

全国20代~60代の男女585名の会社員を対象に「2015年、有給休暇を5日以上とったか」を調査してみたところ、全体で33.3%の人しか5日以上有給を取っていないことが判明。

とくに、20~30代男性、20代女性は3割にも満たない結果となった。

有給休暇

フルタイムで働く社員が全労働日の8割以上出勤した場合、継続勤務6ヶ月で最低10日の有給休暇を付与されることになっている。しかし、その半分の5日間でさえ、全世代ともに半数以上、消化できていない。


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■有給を取らない若手たち

なぜ、日本人はこんなにも休まない(または休めない)のか? 働き盛りの20~30代の男女に、リアルな意見を聞いてみた。

「事前に有給を取りたいと申し出たところ、『代わりを見つけてもらわないと休むのは無理』と門前払いされ、それ以来申請していない」(20代男性/運送業)


「好き勝手に有給を取る社員もいるが、そうなると自分を含め、まわりの社員たちがその仕事を負担することになり、毎回ウンザリしている。そういった状況から、『まわりに迷惑をかけるぐらいなら、最低限にとどめよう』と思ってしまう」(30代女性/旅行代理店)


「有給を取るのは構わないかもしれないが、100%消化しているのは派遣社員ぐらいで、正社員の自分が同じことをすると、『やる気がない』と思われそう。昇進を狙っているので、最初から消化しようとは思っていない」(20代男性/マスコミ)


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■ブラック企業の実情を暴露

さらに、こんなブラック極まりないこんな声も…

「基本的に有給は『万が一病気になったときに使うもの』と言われる。だが、かぜくらいで使うと『体調管理がなってない』と言われ、結局かぜでは休めない。


会社の規則に従って有給を申請したら『万が一、何かあったらどうする』と言われ却下されたが、その日、上司が休んでいた。自分が休みたかっただけ。


有給を取っても『万が一のために、いつでも連絡を取れるようにしておけ』と言われ、一日中会社からのLINEが止まらない。休みを取っても、結局自宅勤務に。 通常の土日休みも遊びで使うとまわりからいい顔をされない。


ときには『ヒマなヤツ』と揶揄されることも。『仕事をしてました』『ビジネス書を読んでました』『セミナーに行ってました』が正しい休日の使い方。リフレッシュ休暇など認められない」(30代女性/WEB制作)


自らの意思で有給を消化しない者もいれば、会社側の勝手な都合で消化できないなど、事情はさまざま。いずれにしても、「有給休暇の取得は、社員に与えられた権利である」との意識を、社会全体に植え付ける必要がありそうだ。

(取材・文/しらべぇ編集部・小林香織

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qzoo調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo 
調査期間:2016年2月19日~2016年2月22日
対象:全国20代~60代の会社員の男女585名


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仕事有給休暇調査取材
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