最強ヒーロー!?幻の特撮『レッドマン』の魅力に迫る

2016/05/02 19:00

こんにちは、モノブライトのベース、出口です。

今年45周年を迎えた仮面ライダー、7月29日に新作映画が公開されるゴジラ、7月にテレビ新シリーズが開始されるウルトラマン、40作目を数えるスーパー戦隊。

近頃は、こうした過去作品が新しい解釈で映像化される機会が増え、動画サイトなどで多くの作品が配信されています。その中でも、ある特殊な作品が特撮ファンの間で話題になっています。それは円谷プロ製作の『レッドマン』です。

カルト的な人気を誇るこちらをご紹介します!


■「赤いアイツ」ことレッドマンとは?

レッドマンは1972年に放送された子供番組『おはよう! こどもショー』内で、5分のコーナーとして放送された作品です。内容は「レッド星雲のレッド星からやってきたレッドマンが円谷作品に登場した怪獣とひたすら戦う」というもの。

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※画像出典:Amazon

レッドマンのベースになっている『ウルトラファイト』(1970年)はヒーローと怪獣の戦いをプロレスに見立て実況も入るコメディ色の強さが目立っていました。

ですが、レッドマンではコメディ色を徹底的に排し「ヒーローと怪獣の真剣勝負」を際立たせています。

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※画像出典:Amazon

■凄惨極まるレッドマンの戦い

レッドマンの人気の大きな要因は「容赦のない決着の付け方」にあります。低予算で製作されているため特撮用セットはなく造成地や水田などで撮影され、ほとんど光学合成などの映像処理も使用されていません。

光線技を積極的に使えないレッドマンは、細身で非常に鋭利な槍「レッドアロー」、大振りなナタのような短剣「レッドナイフ」という武器を所有しています。

肉弾戦で弱った怪獣の隙をつきレッドアローで怪獣にとどめの一撃を喰らわせたはずが、横たわる怪獣に馬乗りになり、勢いそのままに二撃、三撃とメッタ刺しにするレッドマン。

力を込め過ぎて折れ曲がってしまったレッドアローをすでに屍となった怪獣に突き刺したままその場を去る姿は、ヒーローというより悪魔的な風格が漂います。

ヒーローらしからぬ決着の付け方は、レッドマンの最大の特徴であり「怖いもの見たさの好奇心がかき立てられること」が魅力なのです。


■カルト的な人気を後押しした理由

レッドマンがここまで人気を博す要因のもうひとつは「見られない状況」にあったからです。

過去の特撮作品の多くがソフト化されている現在でも、レッドマンのソフト化はレーザーディスク(LD)のみ。放送で使われたフィルムも長らく所在が不明だったことから、知る人ぞ知る幻の作品でした。

猟奇的な戦い方をするヒーロー、フィルム所在不明と、図らずともカルト的な人気を獲得するための要素が揃っていたのです。

本編を見るにはCSを逐一チェックするか高価なLDボックスしかありませんでしたが、現在はYouTubeの円谷プロ公式チャンネル『ウルトラチャンネル』で月曜から金曜に配信され気軽に見ることができます。

そして、デアゴスティーニから刊行されている『円谷プロ特撮ドラマDVDコレクション』のラインナップにレッドマンも入っているので、ここに初の全話DVD化が実現しました。


昭和の特撮の中には、未だに埋もれてしまっている作品もあります。その中で、レッドマンがもう一度表舞台に戻ってきてくれたことは、特撮ファンにとってとても喜ばしいことなのです。

他のヒーローとは一線を画すレッドマンを見ながら、幻の作品の復活を心待ちにしましょう!

(文/モノブライト・出口博之

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