北海道「小2置き去り」事件 「しつけ」が罪に問われる可能性は?
5月28日夕方、北海道の山林で両親に置き去りにされ、行方がわからなくなっている小学2年生の田野岡大和くん(7)。
行方不明となって4日目となったがいまだ手がかりなく、地元警察による懸命の捜索が続いている。
■「しつけのため」に放置
両親は当初「山菜採りに来ていて行方がわからなくなった」と説明していたが、後に「言うことをきかなかったため『しつけ』として置いてきた」と明らかにした。
いちばん後悔しているのは、行き過ぎたしつけをしてしまった両親や家族だろう。また、今何よりも求められるのは、一刻も早い救出だ。
しかしそうした前提の上で、このようなしつけは法律的に許されるのだろうか。しらべぇコラムニストでレイ法律事務所に所属する松田有加弁護士に見解を聞いた。
■保護責任者遺棄罪の可能性も
松田「まずは、早く見つかることを心からお祈り致します。 さて、今回の事件の場合、置き去りにした親は保護責任者遺棄罪等になる可能性があります。『保護責任者遺棄罪』とは、難しい言葉ですが、扶助を必要とする者(お年寄りや幼児など)を保護する責任のある人が、幼児などを遺棄する場合に成立します。
今回のような置き去りも遺棄といえますね。もっとも、今回の場合は『しつけ』のために『5分ほど放置しただけ』というニュースもあります。そのため、親が置き去りをすることの『危険性』をどう考えていたかも問題になるでしょう。
とはいえ、個人的にはしつけといえどヒグマも出没するような危険な山に放置することは、子どもを命の危険性に晒す行為であり、絶対にやってはいけないと思います」
つまり、「子供がいなくなってしまったから問題」なのではなく、置き去りにした時点で「遺棄」として違法。争点は、「危険性の認識」ということになる。
「そんな悪い子は◯◯に捨ててくるよ!」という叱り方をする家庭もあるだろうが、それ自体が法的な観点からも避けるべきだ。
大和くんの一刻も早い救出と、こうした「しつけという名の違法行為」が繰り返されないことを祈りたい。
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