華麗な姿の裏にはトゲがある?花を咲かせる植物型怪獣の魅力

2016/06/06 19:00

こんにちは、モノブライトのベース、出口です。 特撮ファン待望のゴジラ最新作『シン・ゴジラ』の公開が来月に迫っています。

競争率の高い特典付きチケットも各種販売され、いよいよ世間がゴジラモードに。私自身も怪獣熱の高まりにあわせムクムクと湧き上がった怪獣フィギュアの購入欲を、怪獣図鑑を読むことで抑えています。

タガが外れると極限まで収集してしまうのが怪獣フィギュア道。そんな気持ちを抱えながら怪獣図鑑を改めて見てみると、印象深い「植物モチーフの怪獣」を見つけました。

本記事では強烈なインパクトを与える植物型怪獣の魅力をご紹介します。


画像をもっと見る

 

■ 大きさこそが怪獣の条件

怪獣王ゴジラの誕生に多大な影響を与えた作品のひとつに、『キングコング』(1933年)があります。造形は怪獣というよりは私たちも馴染みのあるゴリラをそのまま大きくしただけです。

しかし、ただ大きくした「だけ」にもかかわらず怪獣特有の魅力が付加された、という興味深い効果が生まれています。これこそが怪獣が怪獣たる要因のひとつなのではないでしょうか。

普段馴染みのあるものが大きくなると怪獣になる。これを体現しているのが『ウルトラQ』(1966年)に登場する巨大植物ジュランです。

sirabee0606deguchisyokubutsu003
※画像出典:Amazon

丸の内のオフィス街に出現した古代植物で、根は人間を襲って血を吸い、花からは毒花粉を撒き散らします。

凶暴性や悪意はなく、ただ自生しているだけで人類の脅威になってしまうのは少し可哀想な気もしますが、「大きさこそが怪獣」という本懐を貫いている姿は植物型怪獣ここにあり、と言えるでしょう。


関連記事:メタルヒーローと仮面ライダーの意外な関係【出口博之のロック特撮】

 

■単純な足し算が勝利した強烈デザイン

巨大植物ジュランには大きさこそあれ、ただの植物です。

この巨大な植物と凶暴な怪獣を単純に掛け合わせるとどうなるか。その最適解をたたき出したのが『ウルトラマンタロウ』(1973年)に登場する宇宙大怪獣アストロモンスです。

sirabee0606deguchisyokubutsu002
※画像出典:Amazon

これでもか! と言わんばかりに主張する胸部の赤い花弁に目を奪われます。

大元である怪獣部分も頭頂部と鼻先のツノ、両手がカマとムチになっている点は、ストロングスタイルと言えるデザインの強さがあり、驚くほどの華やかさがある花弁と絶妙に融合しています。

アストロモンスは一度見たら忘れられない怪獣の筆頭でしょう。


関連記事:腕前はプロ級?楽器を武器にするヒーロー列伝

 

■ 遺伝子操作が生み出した頂点

怪獣と植物の融合を物語の主題におき、科学的な説明を加えて怪獣としての説得力を持たせたのが『ゴジラVSビオランテ』(1989年)に登場するビオランテです。

sirabee0606deguchisyokubutsu003
画像出典:Amazon(

人間、バラ、そして自己再生能力があるゴジラ細胞を融合させて生まれた怪獣。巨大なバラの花を咲かせる花獣形態を経て、完全に怪獣の姿となる植獣形態に進化します。

ゴジラシリーズ最大級のサイズを誇り、実際の撮影でも20名以上のスタッフを動員しなければ動かすことができない破格の大きさ。

怪獣らしい凶暴さと同時に御神木のような神秘性も感じられるのは、乱暴な足し算ではなく生物、植物、怪獣の要素を綿密に計算して融合させた結果。

破滅的な美しさと儚さを持つ怪獣、それがビオランテであり、植物型怪獣の究極形なのです。


植物をモチーフとした怪獣の数は、ウルトラシリーズ(現在までのテレビ放映作品)で言えば15体ほど。

登場した怪獣の総数から見るとその少なさがお分かりいただけると思います。しかし、その少なさを感じさせないほどの強烈な印象を私たちに与えてくれる魅力溢れる植物型怪獣の登場に期待したいと思います。

(文/モノブライト・出口博之

Amazonタイムセール&キャンペーンをチェック!

コラム特撮ゴジラ植物型怪獣
シェア ツイート 送る アプリで読む

人気記事ランキング