部活顧問からの暴力 経験率がもっとも高かった年代は…

2016/06/15 21:00

Kengo-Matsuura/iStock
Kengo-Matsuura/iStock

学校で行われる勉学以外の活動、部活動。中学校の学習指導要領では「生徒の自主的、自発的参加によって行なわれる」と定められているが、実際のところ強制的に参加させている学校も多いと聞く。

それに伴い顧問と生徒の負担も増加。休日も部活動にかりだされることから、顧問である教師の勤務時間が長時間化しているとして社会問題になっている。



 

■顧問の暴力やパワハラの温床になっている?

顧問である教諭に肉体的負担やストレスがたまることで、暴力など無法行為の温床になっているのではないだろうか。

しらべぇ編集部では状況を調査すべく、全国の部活動経験者に「顧問の暴力やパワハラを受けて退部したことがあるか」聞いてみた。

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結果、20代男性が14%ともっとも多く、世代があがるごとにその割合が激減。推測だが、昔の運動部は「暴力はあたりまえ」という風潮があり、そのような行為を受けたとしても耐えている人が多かったのかも。

20代はいわゆる「ゆとり世代」であり、親にも殴られたことや厳しいことをいわれた経験がないことから、少々のことで退部してしまう生徒が多かったことが考えられる。

また、パワハラや行き過ぎた教育に、批判の声をあげられるようになった背景もあるだろう。


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■文部科学省が休養日設定を提言

文部科学省は今後部活動に休養日を設定するよう学校に求める案をまとめる予定だ。しかし、即効性があるか否かについては、意見がわかれている。

とくに一部の私立高校では、平日に長い練習、休日に試合というスケジュールを設定しているところも少なくない。

そのような活動の背景には「スポーツで学校の名前を売る」という目的があるだけに、文部科学省の指導に耳を傾けない可能性もあり、顧問や生徒の負担が軽減されるとは考えにくい。


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■元野球部の男性に聞いてみた

中学、高校で野球部に所属していたという男性に意見を聞いてみた。

「私は中学・高校と公立で野球をやっていたので、監督も普通の教師でした。中学は平日は練習、休日は試合と休みなし。顧問は厳しくて『いなくなればいいのに』と怒ってましたが、その監督は新婚だったんですよ。今思うと、大変だったんだなあと思います。


高校のほうはもっと大変で、平日朝練、夜も9時位まで練習、大会前は合宿でした。監督は体育教師だったのですが、やっぱり家庭を投げうっている感じはありました。


ただ、彼は元甲子園球児で『監督として甲子園に行きたい』と考えていたので、苦痛ではなかったみたい。結局、顧問のやる気の問題じゃないですかね」


話を聞くかぎり、部活動の時間を苦労と感じるか否かは、顧問のやる気に左右されるようだ。

(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治

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【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo
調査期間:2016年5月20日~2016年5月23日
対象:全国20代~60代の部活動経験者939名(有効回答数)

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