こんな名前あり?『支持政党なし』の党首がかなり真っ当だった

支持政党なし4

「支持政党なし」「無党派」

昨今、そう自覚する人は少なくない。世論調査においても、無党派層の割合は最大与党の自民党支持層と肩を並べるか上回ることも。

しかし、それを名前にしてしまった政党がある。

支持政党なし1

公式サイトを見ると、「ずばり党名が支持政党なし」。さらに「政策一切なし」という大胆な言葉も記されている。なんなんだ…。

参院選の公示も近づく今、しらべぇ取材班はサイトに書かれた住所を頼りに「党本部」を訪れた。


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■蒲田駅近くのオフィスビルに…

支持政党なし3

『支持政党なし』の本部は、蒲田の『情報通信ネットワーク本社ビル』に置かれている。7階建ての立派なオフィスビルだ。

たしかに、7階の社長室があるフロアにテープで党名が貼ってある…。

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■佐野代表はこの会社の社長

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党代表の佐野秀光氏(45)は、情報通信ネットワーク社の社長だった。佐野氏は大学2年生だった20歳のときに起業。家庭教師派遣ビジネスを皮切りにネット関連事業に進出し、今ではグループ全体で年商30億円を誇る。

さっそく話を聞いてみると…


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Q.なぜこんな変わった名前の政党をつくった?

佐野:小学校の頃から政治家になりたいと思っていました。今、立候補するなら政党の公募に参加するか、芸能人のように著名になるしかない。有権者は個別の政策ではなく、党の大きさや知名度で選ぶからです。


でも、大きい政党では自分の意見は通らない。やりたいことがある人ほど、政党には所属できないんです。だから、自分で党をつくるか無所属でやるしかなかった。支持政党なしの人は自民党支持と同じくらい多い。私たちに足りない知名度を補ってくれると考えました。


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Q.何度も党名を変えている理由は?

佐野:2009年、初めて衆院選に出たときは『新党本質』。2012年の総選挙では『安楽死党』。2013年から『支持政党なし』です。ビジネスでもそうですが、前にやってダメだったのと同じことをしてもうまくいかない。


この名前にしてから、前までなかなか苦労していた候補者やボランティアが集まりやすくなった。一昨年の衆院選では、比例北海道ブロックで10万票以上を獲得しました。これは同じ北海道で初めて出馬したときの14倍です。


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Q.間違って投票されているのでは?

佐野:政党名だと思わず書いてくださる方もいると思いますが、彼らの「支持政党がない」という気持ちは裏切っていない。支持政党がない人の受け皿になれるよう、既存の政党のように政策を一切もたず、「私たちが当選した議決はすべてネット投票で公募します」と言っています。


私たちの提案は、政策ではなく「ネット投票を利用した直接民主主義」というシステム。うちの会社は法務省関連のシステムなどをつくっているので、ネット投票システムはすでに完成しています。当選したら、まずは参院議長・副議長の選出から公募しますよ。


Q.名前がアイデアですよね?

佐野:昔から「日本初」ということしか興味がないんです。うちのような中小企業だと、大手と同じことをしても単価競争で大手に勝てない。他人がやってないことなら、いきなりシェア100%ですから。


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佐野:たとえば、この名刺は三つ折なのですが、伸ばすと葉書きとして使えます。仕事でも同じデザインのものを使っていますが、この名刺は弊社が実用新案を登録済み。いつもこういう「初めてのこと」を考えてるのが好きなんです。


支持政党なし7


Q.世間の反応は?

佐野:街頭演説で「政策は一切ございません!」と言うと、「えっ!?」って顔で振り返る人が多いですね。他に言ってる人がいないですから。


前回の総選挙では、「支持政党なし」がツイートランキングで1位になって、フジテレビに出演したりもしました。


今回も選挙区に候補者を置く8つの都道府県で記者クラブまわりをしたのですが、かなりの数の記者やカメラが来てくれています。


Q.今回の目標は?

佐野:比例代表で1名でも当選すると政党要件がとれるので、まず比例で1名。あとは北海道・大阪あたりの選挙区で食い込みたい。


前回北海道で10万票(得票率4.2%)獲得したときを単純に全国でならすと2議席くらい獲れていた計算になるので。


悪ノリの泡沫政党かと思って話を聞いてみたら、「政策ではなくシステムの提案」という考え方はなるほど一理ある。メディアの取材問い合わせも多いらしく、もしかしたら台風の目となるかもしれない。

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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト

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