子供を育てる勇気【溜池ゴローの子育てコラム】

2016/06/29 19:00

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ワシは、子育てには勇気が必要だと思っている。普段からカウンセリングやコーチングの勉強をしているが、その流れで、先日はじめて「アダルトチルドレン克服カウンセリング」の授業を受けた。

「アダルトチルドレン」とは、「子供にとって安心安全な家庭として機能しない家庭」=機能不全の家庭で育った人々のことを言うらしい。

授業では、さまざまなケースを例に出しながら、親子関係のあり方から、やがてその家庭で育った子供が大人になって、どんな問題を抱えているかということを中心に話が進んでいった。

誰しも大人になってからの行動が、親や育った家庭環境に少なからず影響を受けているという意味では、どんな人間にもアダルトチルドレン的な部分があると思われる。

参加した生徒たちも、他人の例だけでなく、自分の育てられた環境や親との関係性を検証しながら、自分の中のアダルトチルドレン的な要素を確認した。

そして、もし自分のようなクライアントが来た場合、カウンセラーとしてどう対処していくかを考えさせられた。


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■親の背を見て子は育つ?

授業のテキストにも書かれていることだが、子供は、意識ができるまでは「単純なコピー学習」をし続ける。つまり、「親から自分への接し方」をそのまま子供はコピーし続けるのだ。

そして、やがては社会的な判断が入って、今まで自分が学んで来たものと比較したときに、人によっては違和感を感じてしまう場合もあり、中には、その違和感があまりにも大きく、生きることに苦しんでしまう人もいる。

ワシは、この子供時代の「単純なコピー学習」というのが、子供を育てるにあたっての大きなポイントだと思った。

ワシの勝手に感じていることかも知れないが、世の中には、自分の価値観を子供に押し付けようとする親がけっこう多いような気がする。 価値観とひと口に言っても親によってさまざまである。

極端な言い方で例を出すとすれば……

「一流大学を卒業して一部上場企業に就職しなければならない」


「うちの家系は代々公務員だからお前も公務員になれ


男は一国一城の主になるべきだからローンを組んで家を買え」


「女の子はいいお嫁さんにならなきゃダメ」


「人生の価値はお金をいくら稼いだかで決まる」


「お金は汚いものである」


「男はへらへら笑うな」


男は泣くな


……などなど。

もちろん、親だって100人いたら100通りなので、どんな価値観を持ってもいいと思う。ただ、その価値観が、親にとって良かれと思われるものであっても、子供にとって苦しいものである場合もある。


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■親と子は違う人間である

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当然だが、親と子供は、別の人間である。育ち方も性格も価値観もまったく違ってもおかしくはない。だったら子供にそのまま親の価値観を押し付けてしまうことが良いかと言えば、悪い場合も多々あるだろう。

では、どうして自分の価値観を子供に対して強いる親が世の中に多いのか。ワシが思うに……

多くの親が、自分の知っている生き方、自分の見たことある風景の中に子供がいてくれたほうが安心を感じるからではないだろうか。

そりゃそうだ。自分の経験してきた道を子供にたどらせれば、自分というモデルが存在するわけだから、失敗する確率は少ないだろうと予想できる。

それに、自分の理解できる世界や具体的に想像できる世界に子供がいてもらったほうが、親としては安心である。 当然、多くの親が、子供には自分の想像できる範囲より外に出て欲しくないと願う。

そういった気持ちも分からなくはないが……

自分のたどった道や生きる方法を子供に押しつけようとする親たちは、きっと、自分の今まで生きて来た方法が「正しかった」とか「間違いなかった」とか「世間的にもうまくいった」とか、感じている親たちなのではないだろうか。

言い換えると、自分の生活の仕方に良い悪いは別にして、自信をもっているのだろう。


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■自分の常識の範囲を広げる

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ちなみに、世間的には得たいの知れない業界での仕事を生業とし、世間の常識からみると変わった生き方をしてきたワシは、自分の生活して来た方法になんの自信もない。 当然、息子にワシと同じ生き方を押し付けるつもりは全くない。

逆に、ワシが子供の頃に経験できなかったことや、今までのワシにはできなかった選択肢を次々に並べようと思っている。

だから、息子が生まれてから、苦手なアウトドアをやるハメになったり、いままで全く興味のなかった旅にしょっちゅう行くことになってしまった。

西表島のジャングルを歩いたり、日本の最南端の島・波照間島から漁船に乗ったり、マイナス20度近くの雪山でスキーをやったり、男ふたり旅に行ったり、人種がゴチャゴチャしているシンガポールの異国街で息子の行動を観察したり……

これらの行動はすべて、息子が生まれる前までのワシには全く興味のなかったことであり、したくもなかったことであり、怖かったことでもある。


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■子供にとって「真の幸せ」とはなにか、考える

息子には、ワシの人生の選択肢や価値観より、もっと大きな選択肢や価値観を選べるようにしてもらいたいと願っていたので、ワシはワシなりに自分の価値観の外に出たつもりだ。

つまり、ワシは子育てをするために…… ワシなりの「勇気」をだしたのだ。息子が生まれた瞬間から、ワシは「子育てをする勇気」を持とうと思った。

自分の居心地の良い価値観から外に出て、共に学んでいこうと決めたのだ。逆に言えば、ワシはその「勇気」を与えてくれた息子に感謝している。 どんな親も自分の子供にはちゃんとした大人になってもらいたいのは当たり前である。

ただ、その方法は100人いたら100通りであって良いはずだ。子供が、親である自分の知っている方法と違う方法で生きていくことに恐怖感は感じることだろう。

ただ、いちばん大切なのは「生活の方法」ではなく、子供が自身にとって本当の意味で「幸せな大人になる」ことのはずだ。親は、その恐怖感を乗り越える必要があるのではないだろうか。

アダルトチルドレン克服カウンセラーの授業を受けながら、改めてワシは思った…… 子供を育てるというのは、勇気がいることである。

今回は以上。

(文/溜池ゴロー

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