「太上天皇」復活か 生前退位の天皇は現時点で59人

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天皇陛下が生前退位のご意向を示されている。いや、正確に言えば「そういう報道がある」。

これについて宮内庁は、一切否定の声明を出した。確かに「天皇陛下が生前退位をご考慮されている」というのは、あくまでも「宮内庁関係者からの情報」だ。宮内庁が公式発表として出したものではない。

だがいずれにせよ、この話題はすでに列島中を駆け巡っている。何しろ、数年のうちに元号が変わる可能性が出てきたのだ。大ニュースでないはずがない。


 

■生前退位は珍しくない

もし天皇陛下の「ご意向」が本当で、数年以内に生前退位が現実のものになったら、陛下の位置付けはどうなるのだろうか?

歴史に従うなら、天皇陛下は太上天皇すなわち上皇に即位されることになる。歴代天皇のうち59人が上皇になっているから、日本史という視点で見れば生前退位は珍しいことではない。

現在の時点で、生前退位を行った最後の天皇は光格天皇。18世紀末から19世紀中葉にかけての人物で、当時の幕閣政治に積極的に介入しようとしたことでも知られる。

この頃までの天皇は、政治的な意味合いで生前退位を行うことが多々あった。とくに平安時代後期は上皇が絶大な権力を握り、それを前提にした院政政治が行われたのだ。


 

■膨大な公務を前に

だが、現代では「天皇は国の象徴である」と定めた憲法が存在する。政治的なニュアンスの生前退位を行う必要性はまったくない。だからこそ天皇陛下のご意思は、「皇室が公務を円滑に行うため」にあるという。

皇室の公務が、まさに「激務」なのは間違いない。たとえば、4月15日に両陛下は静岡市へご訪問の予定だった。静岡市民はかねがね待ちわびていたが、その前日に熊本で大地震が発生。

陛下のご決断は非常に早く、「御所で被災地の状況を見守る必要がある」として静岡訪問中止を宮内庁が発表した。陛下は決められた公務をこなすだけでなく、状況に応じてその日程を再考されている。


■現代ゆえの事情も…

かつての天皇は、「自らが生き残るため」に生前退位を行っていた。昔は皇室内にも血筋による派閥があり、相手を駆逐するためあらゆる手段を用いて権力を掌握しようとしたのだ。

もちろん、現在の皇室は違う。経済先進国日本の象徴というの役割を平成の皇室は担っている。そしてそれ故に、公務の幅は広く仕事量も膨大。

此度の「生前退位報道」は、現代特有のこうした事情が背景にある。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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