妻の浮気相手の車を破壊 公務員を凶行に及ばせた「男の嫉妬」
嫉妬によって男性が女性を襲う事件が増えてきている。こうした事件は昔からあるものだが、2016年は妙にその手の事件が増えている。とくに、元妻や元恋人、時には元不倫相手までも襲う男性がいるのは嘆かわしい。
しかし、いくら理論的に生きようとしても、人間は自分の本能を隠し通すことは出来ない。嫉妬のパワーは強力で、自ら犯罪者となってしまう男性も珍しくないのだ。
■モンスターと化した男性
その案件はただの行方調査のはずだった。依頼者である男性(A)の年齢は30歳前後。調査の対象者となったのは彼の奥さん(B)さんである。
Bさんが家出をした理由は、Bさん自らの浮気。これに激怒したAさんはBさんを家から追い出した。しかし、実家に連絡を入れるも家には戻っていないことが判明。携帯電話が切られているのか、電話をしてもBさんとは一切連絡が取れなくなってしまったのだ。
AさんはBさんを探そうと思い警察に届け出をしたものの、一時的な家出ということで積極的な調査は望めなかった。さらに家出の原因が浮気であることから、家族からの協力も得られない……そこでAさんはBさんの調査を探偵社に依頼したのである。
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■Bさんを見つける
Bさんの捜索は、かなりスピディーに進んだ。Bさんが隠れていたのは、浮気相手の自宅。相手の住宅は古い木造アパートで、単身者用の部屋にBさんは隠れ住んでいたのである。
相手の部屋に訪問し、室内にBさんがいることを確認。相手男性のものと思われる車を確認するも、男性の姿はみえなかった。
調査の結果を報告すると、Bさんの現在の状況と、相手男性の詳細についての追加調査が入った私達は一旦その場を離れ、翌日、早朝から現場で張り込みを開始すると、現場の異様さにまず気が付くことになった。
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■破壊の限りを尽くされた車
まず目についたのは、駐車場に散乱したガラスの破片。見れば、浮気相手の男性のものと思われる車の窓がすべて割られていたのである。さらにサイドミラーも破壊されているばかりか、車の側面にはさまざまな形の凹凸ができている。
どう見ても事故で出来たものではない。近づき、割られたサイドミラーやボディを確認すると、そこにはかすかに赤い血痕が確認できた。
また、ボディに残された形をよく見ると、そこには何か所か人間の拳の跡がはっきりと残っていたのである。他の箇所も、膝や、足などを使って破壊している様子が見てとれた。
現場の様子を写真に収めたあと、私達はすぐに部屋に向かった。車が素手であそこまで破壊されているとなると、当然Bさんや浮気相手の男性に危害が及んでいる可能性があったからだ。
ただ、どうやら直接の危害は避けられたようだった。代わりに、部屋のドアも車と同じく、恐ろしい力で徹底的に破壊されたあと。ここも、どうやら素手によって殴りつけられたようだった。
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■破壊したのは依頼者
状況からみて、嫉妬に狂った依頼者が犯行に及んだのは間違いなかった。事実の確認をすると、依頼者が犯行に及んだことが判明した。
しかしながら、相談員は「たしかに依頼者がやったと言っているんですが、どうにも新じれられない」と語る。その理由は、依頼者の性格や体格があまりにも普通過ぎたからだ。
彼の身長は170㎝、体重は50キロ前後の痩せ形であり、職業は公務員という真面目な男性なのだ。それが、突如豹変し、車やドアを素手で破壊するようなパワーを秘めているとは、事実を確認したあとでもにわかに信じられなかった。
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■男性の嫉妬は攻撃性を上げる
嫉妬によって男性が攻撃的になる理由は、脳内のアドレナリンの量が問題だ。心理学者デヴィッド・M・バスらの実験によれば、男性はパートナーが実際に浮気をしていなくとも、浮気をしたという噂を聞いただけで、脳内では急激にアドレナリンが大量に分泌され、興奮と激しい怒りが起こることがわかっている。
また、アドレナリンは鎮痛作用もあるため、自分の体を破壊するような暴力行為すらも平気で行なえてしまう。
男性の嫉妬は見苦しいものだが、嫉妬から生まれるエネルギーに気が付かなければ、知らぬ間に恐ろしいモンスターに変貌するかもしれない。
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(取材・文/しらべぇ編集部・サナダテツヤ)