熱中症にご用心!自分でもできる「予防と治療法」を医師が解説

2016/08/02 18:30

kimberrywood/Thinkstock

現役内科医でしらべぇライターの青木マダガスカルです。

夏になると必ずニュースに登場する「熱中症」。2013年には約40万8千人が熱中症として治療を受けました。

しらべぇ編集部が今年7月に調査をしたところ、全国1,376人のうち約4割が暑さで具合が悪くなったことがあると回答。男性が30.6%に対して、女性では43.8%と男女差も。

熱中症



 

■熱中症と診断されるのはどんなとき?

熱中症は、「暑さにからだが適応できないことによって起こる状態の総称」と定義されます。

従来は症状に応じて、熱けいれん、熱疲労、熱射病と呼ばれていましたが、わかりにくかったため「熱中症」という概念にまとめられました。

失神、立ちくらみ、大量の発汗、筋肉痛、頭痛、嘔吐、意識障害、けいれん、高体温…暑い環境にいてこのような症状が出現し、他の疾患が除外されれば熱中症という診断になります。


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■自分でもできる予防と治療

汗をかくと水分だけでなく塩分(ナトリウム)も喪失するので、両方を補うことが必要です。この点は誤解されやすく、水やお茶ばかり飲んでしまうケースがありますが、塩も不足しているということを知っておいてください。

同じ理由で、スイカ単独では熱中症予防になりません。スイカ果肉部100 g中に含まれるナトリウムは、わずか1 mg(梅干し1個の約600分の1)。せめて塩をかけて食べましょう。

実際に水とナトリウムを摂取するには、スポーツドリンクでも問題ありませんが、オーエスワン(OS-1)などの経口補水液がより目的にかなっています。

スポーツドリンクは塩分少なめで糖分が多いのに対し、経口補水液は理想的なバランスに調整されています。甘くないため、吐き気があるときでも飲みやすいはずです。

また、手軽さでは劣りますが、塩分摂取という意味では味噌汁などしょっぱいものも有効。環境面では、暑いところに長時間いないようにするなど、可能な限りリスクを回避することが大切です。


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■命にかかわることも

若年者や中年男性は、炎天下でのスポーツ・労働中に熱中症になることが多く、重症例は比較的少ないとされています。

一方で高齢者の場合は、日常生活のなかで発症してしまうケースが多く、重症化リスクは高い傾向に。2013年には550人が熱中症で死亡し、そのうち474人(86%)が65歳以上でした。

熱中症は、気温が28℃をこえると急増することがわかっています。さらに、

湿度が高い、風が弱い、日射しが強い


といった状況では、体から熱が放散されにくくなるのでリスクは高くなります。注意していればある程度予防が可能なので、正しい知識を身につけ暑い夏を乗り切りましょう。

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(文/しらべぇ編集部・青木マダガスカル
qzoo-200x94【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo
調査期間:2016年7月22日〜2016年7月25日
対象:全国20代〜60代の男女1376名に調査(有効回答数)

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