名作か?迷作か?奴隷貿易できるゲーム『大航海時代III』

2016/08/06 05:30

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※画像はニコニコ動画のスクリーンショット

数あるゲームの中で「クソゲー」と呼ばれるものが時たま出現するが、逆に「問題になった名作」も存在する。

それはどのようなゲームか?

例を挙げれば、コーエーがかつて発売した『大航海時代Ⅲ』が当てはまる。今も続く大航海時代シリーズは、ヨーロッパの航海士になって世界中を開拓していくという内容。

そのシリーズの中で、『Ⅲ』は最も史実的なゲームと言われている。


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■アフリカで一財産当てる方法

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※画像はニコニコ動画のスクリーンショット

大航海時代IIIの主人公は、15世紀末のポルトガルかイスパニアの航海士として大海原に繰り出す。だがそれは言い換えれば、アフリカやアメリカ大陸を侵略するということ。

主人公は図書館で冒険のヒントを探し、それを元に有力者の家に行ってプレゼンを行う。資金援助が成功すれば、いよいよ航海へ乗り出せる。もちろん、プレイヤー自らが貿易事業を行い資金を稼ぐことも可能。

だが、このゲームの初回ロット版はその貿易システムが問題になった。アフリカで奴隷貿易ができるようになっていたからだ。

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※画像はニコニコ動画のスクリーンショット

しかも、これが非常に割のいい交易である。西アフリカで仕入れた奴隷をポルトガルのリスボンへ持っていけば、一財産築くことができる。さらに奴隷の単位は他の交易品と同じく「1樽、2樽」で、あまり洋上で時間をかけていると奴隷が腐る事態も発生。


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■血なまぐさい史実に沿って

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※画像はニコニコ動画のスクリーンショット

現実世界で行われていたこととはいえ、このシステムはさすがに人権侵害甚だしいと見なされたようだ。その後配布された修正パッチで、奴隷貿易が削除されるようになった。

だが、その他の血なまぐさい部分はそのまま。たとえば主人公はキリスト教徒だから、イスラム教勢力の港へは正攻法で入港できない。密入国するか、武力で制圧するかでようやく港町に入ることができる。

また、ポルトガルとイスパニアも基本的に仲が悪い。1494年を迎えると両国はトリデシリャス条約を締結し、それ以後はお互いの船を港に受け入れなくなってしまう。どうしても入港したい場合は、役人に賄賂を払うか武力を繰り出すしかない。


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■細かい設定

だがこの大航海時代IIIは、バグの多さはあるものの非常に奥の深い「名作」として知られている。

マップが広大で、しかもそれぞれの海域の特徴も忠実に再現。偏西風と貿易風を活用してヨーロッパ・アフリカ・アメリカの三角貿易も可能である。また、港町の酒場にいる女を口説いて妻にすることも。

このような野心的なゲームは、もう二度と現れないかもしれない。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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