【リオ五輪】三宅宏実が銅メダル獲得 重量挙げの醍醐味とは

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※画像はYouTubeのスクリーンショット

リオオリンピック女子ウェイトリフティング48kg級で、三宅宏実が銅メダルを獲得。

三宅にとっては、前大会に続くメダルである。スナッチで記録が伸び悩んだものの、クリーン&ジャークでは盛り返し3位につけたのだ。

今回の大会では、どうもクリーン&ジャークでつまずく選手が多かったようにも思える。後述するが、ウェイトリフティングでは自身の最高記録よりも、その時の申告重量が鍵になる。そこでミスをすれば、記録すら残らない事態に陥ってしまう。

だがこれこそが、ウェイトリフティングの醍醐味なのだ。


 

■高度な戦略性

陸上の投擲競技や体操などは試技の順番が予め決められているが、ウェイトリフティングはそうではない。順不同だ。

これはなぜかというと、競技に使われるバーベルは選手の申告順に重くなっていくが、逆に軽くなることはない。申告重量の低い選手から試技を行うのだ。重量が同じ場合は、抽選で決められた番号順に実施。

そこに戦略が生まれる。申告重量が重ければその分難易度が高くなるが、代わりにライバルの試技を事前に観察することができるのだ。


 

■レコードは目指さない

また、オリンピックのような大舞台でワールドレコードに挑もうとする選手は、あまり出てこない。確実にバーベルを挙げなければ記録は残らず、しかも先述の通り競技中のバーベルは重くなる一方だからだ。「100キロに失敗したから次は99キロに挑戦」ということはできない。

だからオリンピックで「レコード狙い」に切り替えるとしたら、それは順位が固まった時。

今回銀メダルを獲得したスリワヒュニ・アグスティアニ(インドネシア)は、すべての選手の試技が終わった時点でまだ2回もチャンスを残していた。これは1位のソピタ・タナサン(タイ)がスナッチで大きく記録を伸ばし、早々に地盤を固めたため。だからアグスティアニは、自己ベストを大きく上回る115kgという重さのバーベルに挑むことができた。


■合計重量で決まる

また、スナッチとクリーン&ジャークのどちらに焦点を合わすかという戦略も重要になってくる。

今回、タナサンはスナッチで他の選手を突き放した。そのため彼女は、より重いバーベルを持ち上げるクリーン&ジャークでの競り合いに参加する必要はなくなったのだ。もっとも、それでも攻めの姿勢を変えず108kgを挙げたタナサンは、やはり恐るべき選手である。

一方で三宅は、振るわなかったスナッチの記録をクリーン&ジャークで挽回しなければならなかった。この競技は両方の合計重量で順位付けされるからこそ、此度のような大逆転ドラマが起こったのだ。

ウェイトリフティングは、ただ単に「より重いバーベルを持ち上げる」だけの競技ではない。計り知れない奥深さが、そこにあるのだ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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