高校野球チームに県外選手はおかしい?ファンの間で議論に
様々な話題をふりまいた夏の全国高校野球選手権甲子園大会も佳境に突入。優勝の座をかけて20日に準決勝、21日に決勝を行う。ここまで勝ち残るチームはどこも強豪で、充実した施設とスカウティング網をもっている。
県外から「野球留学」してきた選手がレギュラーとして出場しているチームも多く、毎年「規制するべきではないか」との声があがるが、とくにルールが設けられていないのが現状。
「おらが街」のチームを応援しようとメンバーをみたら全員他県出身者だったとなれば、複雑な感情を抱く人がでてくるのは当然だ。
■他県出身者ばかりのチームに違和感を覚える?
そこでしらべぇ編集部では全国の男女に「高校野球の地元代表チームに他県出身者が入っていることについて違和感を覚えるか」聞いてみた。
結果、世代があがるほど違和感を覚える割合が増加することが判明。20代は2割程度であるのに対し、40代は5割が複雑な感情を抱いている。
野球留学が一般化し「あたりまえ」と感じている世代と、当該県出身者で甲子園に出ることが常識と感じる年代の違いかもしれない。
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■全員県外選手のチームも
今大会の出場チームも、県外選手が主力に名を連ねているチームが多い。とくに熊本県代表の秀岳館はベンチ入り選手全員が県外出身者。スタメンの半数が、監督が以前指揮をとっていた大阪のボーイズリーグ出身となっている。
それだけに県内での風当たりは強いようで、県予選の観客たちはまるで県外のチームと戦うような目で相手チームを応援したという。しかしこれも「甲子園で勝つため」だそうで、手段を選ばず勝ちにいくことが使命と考えているようだ。
これは秀岳館ではなく、高知県代表の明徳義塾や八戸学院光星も同様。県内選手は殆どおらず、大阪や東京などの県外出身者が中心。地元ファンは複雑な心境をもち、野球留学されてしまった県のファンからは嘆きの声があがる状況だ。
一方で力のある学生が自分の行きたい高校に入るのは当然で、「居住県内の高校しか入学してはいけないというのはおかしい」との指摘もあり、意見が割れている。
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■ファンの意見は
ファンに意見を聞いてみると…
「わたしは反対です。県の代表として出ているのだから、選手もその都道府県出身者じゃなければおかしい。そういう選手って授業料とか免除されて特待生で入学しているらしいじゃないですか。それって学生野球としてどうなのかなって。
特待生制度は一時期高野連が問題にしましたが、明快な結論が出ていないし、わけがわかりません。オブラートにわざと包んでいますよね。とにかく自分はベンチ入りしている選手が全員県外とかじゃ、応援なんかしたくありません」(30代男性)
「プロ野球だって阪神なのに東京出身者がいるし、巨人なのに関西出身者がいる。社会人野球でも都市対抗といいながら、当該地域以外の選手で構成されていることも多いです。大学野球だって、東京六大学だから東京出身者だけなんていったらなりたちません。
そう考えれば、ごく自然なことなんじゃないかな。やっぱり勝つためには優秀な人材を集めることが手っ取り早いですから」(40代女性)
現状をみるかぎり、県外出身者を受けいれ、我が都道府県の選手として応援するしかなさそうだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年7月22日~2016年7月25日
対象:全国20代~60代の男女1376名(有効回答数)