命の危険も…「夏休み明け」の子供の様子に注意を払おう

2016/09/01 10:30

maroke/thinkstock
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■9月1日に自殺する子供が多い

ちょうど1年ほど前、夏休みの終わりに鎌倉市の図書館がツイッターで以下のようなつぶやきを投稿し話題になりました。

全国的に9月1日に突出して子供の自殺が多いことを受けてのツイートでした。

内閣府によると、1972~2013年の42年間で、18歳以下の子供の自殺は1万8048人。365で割ると、1日当たりの自殺者数は平均50人弱になるはずですが、9月1日は突出して多いことがわかりました。

1972〜2013年の42年間合計で、18歳以下の子供の9月1日の自殺者数は何人くらいだと思いますか?

9月1日はなんと131人でした。次いで9月2日も94人、8月31日も92人と9月1日前後の3日間で合計317人にもなるのです。

夏休み明けに学校に行くことに大きなプレッシャーを感じて精神的動揺が生じやすいと指摘されています。文科省も今年7月には学校側にアンケートの実施や自殺をほのめかす書き込みがないかなどのネットパトロールの強化などを要請しました。

最近は授業時間数の増加にともない夏休みが短くなっています。9月1日よりも前に2学期が始まる学校が増えています。

今年の8月後半には青森で中学生の自殺と思われる死亡事故が相次ぎました。


関連記事:夏休みの宿題をギリギリで取りかかる人が大人になるとどうなる?

 

■夏休み明けの子供の様子に注意を払う

逆に言えば、夏休み明けは、子供の悩みや心の不調に気づくチャンスです。

「うちの子は大丈夫」などと高をくくらず、念のためいつもより注意深く子供の様子を観察してみましょう。

夏休み明けの子供の様子がどこかおかしいと感じたら、無理に学校に行かせるなどせずに、まずはゆっくりと話を聞いてみることも場合によっては必要かもしれません。

話を聞くときには、価値観の押し付けは禁物です。子供が「学校に行きたくない」というのであれば、学校に行かせようと意図して話すのではなく、「どうして学校に行きたくないのか」「どんな気分なのか」を聞くようにしてください。

説教はもちろんアドバイスも不要です。ただありのままの気持ちを受け止め、共感してあげることが最重要です。場合によっては遠慮せず、学校の先生やスクールカウンセラーの力も借りましょう。

親としては「このまま不登校になってしまったらどうしよう?」と不安になるかもしれませんが、そこで焦ってかえって事態を悪化させてしまってはいけません。


関連記事:過保護なのか?子供の夏休みの宿題を手伝う親はこんなにも…

 

■子供の居場所は学校だけじゃない

子供たちへ直接支援を行う団体もあります。

NPO法人「フリースクール全国ネットワーク」は登校したくない子を緊急的に受け入れたり、電話相談に応じたりする団体をホームページで公開しています。

夏休み明け 学校がつらくてもココがあるよ! プロジェクト

子供や向けの電話相談窓口もあります。

・24時間子供SOSダイヤル 0120−0−78310

チャイルドライン 0120−99−7777(月〜土 16:00−21:00)

そのほか、冒頭の図書館のように、学校以外にも子供の居場所はたくさんあります。

家庭はその最たる場所です。まずは保護者がそのことを肝に銘じて、子供の安心安全を第一に考えましょう。

※この記事は全国のFMラジオネットワークJFNの「OH! HAPPY MORNING」のコラボ企画です。記事の更新は隔週木曜日10:30am。記事更新の約10分前から、おおたとしまさがこのラジオで記事と同様の話をおしゃべりします。

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(文/おおたとしまさ

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