「ペリーの黒船」と戦える?勇猛果敢な主戦派の割合は…

2016/09/03 05:30

Jacqueline Nix/iStock/Thinkstock
Jacqueline Nix/iStock/Thinkstock

ペリー提督の黒船艦隊来航は、日本史を大きく変えてしまった。

もっとも、ペリー艦隊が「初めてのアメリカ船」ではない。それ以前から、日本はアメリカに開国を要求されていた。ペリーは前々からの要求を実現させる手段として、初めて武力を用いたのだ。「これ以上要求を拒むのなら、江戸を砲撃するぞ」という脅しである。

ペリーの強圧的な態度に、江戸幕府は震え上がった。無理もない。この当時の日本は2世紀半もの長い平和を享受したため、すっかり軍備が旧式化。何しろ江戸市中の鉄砲組はやることがないため、観賞植物の品種改良で生計を立てていたほどだ。鉄砲の撃ち方など、はるか昔に忘れていた。

戦争をしてもアメリカには勝てない。当時の幕閣は皆そのように判断した。



 

■「ペリーを追い出せ!」と答えた人の割合

では、この状況を現代人はどう判断するのだろうか。

しらべぇ編集部では「もし自分が徳川将軍だったら、迷わずペリー艦隊を追っ払っているか?」の調査を実施。

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案の定の結果である。「ペリー艦隊を追っ払うことができる!」と答えた人はわずかに6.5%。あの状況ではどう頑張っても江戸を防衛できない、が多数意見のようだ。


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■秘密兵器ボートホイッスル砲

ペリー艦隊は、ボートホイッスル砲を持っていた。これはサスケハナ号に搭載されていたパロット砲やダールグレン砲よりも遥かに小さい榴弾砲だ。カッターボートに積めるほど軽い。

だがこのボートホイッスル砲がじつは日本開国の決め手、というのが近年の最有力説である。

つまり、カッターボートなら浅瀬も気にせず繰り出せるから、日本のあらゆる湾にも攻撃をかけられる。250年もの間、日本の頂点に君臨していた徳川幕府は蚤か虱のようなカッターボートに粉砕されるのだ。まさに悪夢である。

だが、幕府側も負けてはいなかった。ペリー艦隊に対してこんな提案をしたのだ。

「そのボートホイッスル砲とやらを、1門だけ譲ってほしい」

それに対し、ペリーは首を縦に振った。最新の軍事技術を見せてやるのも、脅迫のうちだからだ。


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■日本人の技術力

ところが、ペリーはここで大失敗を犯した。

日本人は、ボートホイッスル砲をたったの1年ほどでコピーしてしまったのだ。

この300年前、日本人は火縄銃というヨーロッパ伝来の新兵器を、やはり1年で複製してしまった。日本の職人の技術に早くから関心を向けていたペリーだったが、まさか自分が譲渡した秘密兵器がすぐさまコピーされてしまうとは夢にも思っていなかったはず。

黒船来航時点で、日本の技術がアメリカの足元に及ばなかったのは事実。だが、その差をすぐさま縮めてしまうほどの技術力を我々の先祖が持っていたということも、またひとつの事実に変わりないのだ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一
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