日本で認知度が低い?小林麻央も訴えるセカンドオピニオンの重要性

2016/09/15 09:30

医師
imtmphoto/iStock/Thinkstock

11日、乳癌で闘病中の小林麻央が、癌かどうかの再検査をおこなった際に、医師から「癌を疑うようなものではない」と診断されていたことをブログに綴った。

彼女の公表により、セカンドオピニオンの重要性が再び注目されている。

2015年に54歳という若さで亡くなった俳優の今井雅之さんも、ステージ4の大腸癌だったのにも関わらわず、「腸の風邪」と診断をされ薬の処方箋のみで帰宅。

風邪と診断した病院に「ふざけるな」と唇をかんで怒りをのぞかせたという。今井さんが亡くなったときも、ネット上ではセカンドオピニオンの重要性が話題に上がった。



 

■セカンドオピニオンとはそもそも何?

セカンドオピニオンは、海外では当たり前の治療法だが、日本では馴染みのない人も多い。

簡単に説明すると、セカンドオピニオンとは今かかっている医師以外の医師に求める第二の意見を求めることだ。

海外では一般的なのに対し、日本でまだそうでもない理由を医療関係者に取材してみた。

「厚生労働省の患者動向調査では、患者さん側もセカンドオピニオンが必要だと思ってる人が3割くらいみたいですね。割合として少ないのは、そもそもの認知が進んでないのがありそうです。この調査は大規模ではないですが、少なくとも癌診療に関しては増えてると感じます。


日本人は医療はほぼタダだと思ってるけれど、セカンドオピニオンは高いからというので受けない人もいそうですね。セカンドオピニオン外来には来ないで、けっこう飛び込みで来る人が多いですから。あとは、普通に紹介してもらって来るとか。


僕自身も患者側として、過去に『近くの病院で手術したいから』とか『ここの病院で親族がナースをしているから』とかいって、セカンドオピニオンを受けたことがあります。その場合はカウントとしてはセカンドオピニオンとならないのですが、そういう人はかなり多いなぁという印象です」(厚生労働省勤務・20代男性)


セカンドオピニオンという制度そのものを利用せず「飛び込み」で病院に行くため、概念そのものが薄い人が多いようだ。

また、精神科医は次のようにセカンドオピニオンのハードルの高さを指摘する。

「美容院を変えるなら黙って別の店に行けばいいのですが、たとえばずっと切ってもらってる担当を目の前に『他の人も試してみたいので』って言わないといけないとなると、言うほうはかなりハードルが高いし、言われるほうもポジティブな感情を抱きにくいですよね。


セカンドオピニオンの紹介状を求めるはそういうニュアンスがあるので、心理的ハードルが高いのです。とくに開業医の先生方は昔気質というか、年齢もプライドも相対的に高い傾向にあるので、なおさらですね。


ただ、今の診療方針や態度に疑問を持ってる人はかなり多いと思いますので、セカンドオピニオンの紹介状だけ出してくれるような窓口があれば、患者側の目線に立つとすればありがたいと思います」(精神科医・30代男性)


この精神科医が言うように、セカンドオピニオン専用の窓口ができたら状況はまた変わってくるのかもしれない。


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■保険適用外だが命には変えられない

また、セカンドオピニオンは「保険適用外」のため、利用するハードルが高い。これに対して、Twitter上ではどのような反応があるのだろうか。


金銭面がネックになるという意見もあるが、セカンドオピニオンのおかげで発見できたという人もいるようだ。


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■実際にシコリが見つかった人の反応

しらべぇ編集部では、胸にシコリを見つけた女性に取材を試みた。その声を最後に紹介したい。

「数年前に、恋人が胸のシコリを見つけてくれて乳癌の検査に行きました。そのときの検査では良性と言われ、数カ月後にまた来るようにと言われました。


数カ月後に病院に行ってもとくに変化がなく、半年後、1年後に行きましたが良性のままだったので、結果的にもう検査には来なくていいと言われました。


そのときの医師によって、今後の流れに関しての意見は違いましたね。医師によっては、『検査に来るのも大変だろうから、良性から悪性になる前に摘出してみてはどうか』という意見の方も。


女性にとって胸は重要なので、悪性でもないのに手術するのは抵抗があり手術はしませんでした。


今回の小林麻央さんのブログで、セカンドオピニオンの重要性がわかり、別の病院に行こうかと考えさせられました」(30代女性)


小林のブログ公表により、多くの人がそれぞれの視点からセカンドオピニオンについて考えさせられたよう。これを機に、早期発見や再検査で癌から助かる人が増えることを願いたい。

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(取材・文/しらべぇ編集部・ニートgoma

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