「私たち、入れ替わってる!?」男女が入れ替わる特撮作品3選

2016/10/10 19:00

こんにちは、モノブライトのベース、出口です。アニメ映画「君の名は。」(新海誠 監督)の興行収入が130億円を突破し、現在も爆発的なヒットが続いています。

アニメ映画として100億円の突破している作品はスタジオジブリ作品以外では初のことであり、邦画アニメ映画では歴代5位を記録しています。

圧倒的な映像美に加えて高校生男女がお互いを意識し恋愛感情を抱くまでの心の機微を丁寧に描写し、若年層を中心に共感を呼んでいます。

物語は田舎町に住む女子高生と東京で暮らす男子高校生の心が入れ替わってしまう、いわゆる男女入れ替わりモノ。

男女入れ替わりモノと言えば、1982年に公開された「転校生」(大林宣彦 監督)をはじめ、映画、アニメでは多く扱われているジャンルですが、SF的要素を含む設定は特撮作品でも多くの名作を残しています。

今回は、入れ替わりが印象的な特撮作品をご紹介したいと思います。


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①「転校生」の原点? 男女入れ替わりの元祖

映画「転校生」は山中恒(やまなかひさし)氏の児童文学「おれがあいつであいつがおれで(1980年刊行)」が原作となっていますが、この原作より先に男女入れ替わりモノとして放送されていた特撮作品が「へんしん!ポンポコ玉(1973年放送)」です。

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仮面ライダーなどの「変身ヒーローブーム」真っただ中だった1973年に「ヒーローではなく異性に変身(入れ替わり)」という時代を先取りし過ぎた設定のためか視聴率が振るわず放送は15回で打ち切りになってしまい、その後も長らくソフト化されず、知る人ぞ知る作品となっていました。

物語は男女が入れ替わることによるコメディを貫いているので、明るく元気が良い印象。あくまで「男になりたい」「女になりたい」という気持ちのみで入れ替わるので、この男女が恋愛関係に発展することがないのが特徴。

現在では「女っぽい男の子」「男っぽい女の子」がいても個人の趣味嗜好の多様化が進んでいるのでとくに珍しくはありません。

しかし、放送当時は昭和40年代後半、「男女かくあるべき」という認識が強い時代にあっけらかんと「異性になりたい」と宣言した「へんしん!ポンポコ玉」は70年代当時においては異色中の異色作だったのです。

もしかすると、今見るべき作品なのかも。


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②スーパー戦隊シリーズは入れ替えが鉄板?

心が入れ替わるという状況は、必然的に2人以上の人間がいることが条件になります。この条件を恒常的に満たしているのがスーパー戦隊シリーズです。

パーソナルカラーを持った3人から10人の男女混成チームと男女入れ替わりエピソードはとても親和性が高く、メンバー同士、時には敵との入れ替わりエピソードが多くのシリーズで作られています。

メンバーを識別する色を大胆に入れ替える手法を用いて男女の入れ替わりをある意味で徹底的に掘り下げたシリーズが「烈車戦隊トッキュウジャー(2014年放送)」になります。

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スーパー戦隊シリーズにおいて、それぞれの色は個人を識別するだけではなく個人の性格を裏付ける大切な要素。

トッキュウジャーでは変身後それぞれの変身アイテムを交換する多段変身「乗り換えチェンジ」によってレッドがブルーに、イエローがグリーンに、といったように一回の戦闘でめまぐるしく色を交換しながら戦います。

入れ替えではなくあくまで乗り換えなので、心や性格の入れ替えはありません。

でも、男性メンバーがピンクになっていたり女性メンバーがレッドになっていたりする場面では、男女入れ替えモノに通じる何かを感じずにいられません。


入れ替えモノとして押さえておきたい作品は「海賊戦隊ゴーカイジャー(2011年放送)」でしょう。

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ゴーカイジャーの特徴は。なんと言っても過去作品のヒーローに変身すること、です。

ほぼパラレルワールド(一部世界観が共通している作品はある)として描かれるスーパー戦隊シリーズをすべて連続した同じ世界に落とし込む。

ヒーローの力が宿ったレンジャーキーを用いて過去作品のヒーローに多段変身する勇姿は、男女入れ替えを越えた「ヒーローの夢の共演」となっています。

ゴーカイジャーでは「オラオラ系」に近いキャラクター性を持っている男性メンバーがいるので、口調は男らしさに溢れているけど姿がピンク、というトッキュウジャーにも似たギャップが楽しめるので、こちらも是非ご覧になってください。


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■男女入れ替わりモノは心と心の物語

男女入れ替わりモノの本懐は「意図せずに入れ替わってしまったあとの内面描写」にあります。

「転校生」や「君の名は。」では、最終的に恋愛感情に帰結しますが、このベクトルが「平和を、誰かを守りたい」という方向に向くのが多くの特撮ヒーローの物語なのです。

意図せずにヒーローになってしまったあとの心の機微が主題になり、ヒーローとして誰かを守ることへ帰結します。

恋愛と滅私奉公精神の違いはありますが、どちらも「必死に動く中で心がいつの間にか動かされている」物語なのです。

年を重ね大人になると、いつの間にか心が動かされる瞬間に出会う機会が少なくなってきます。身近な事柄にも心が動く瞬間を見逃さないように、感動を忘れないようにしたいと、「君の名は。」と大好きな特撮作品を見て思いました。

心が動く瞬間は、意外と近くにあったりするのです。

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(文/モノブライト・出口博之

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