VRソフト開発者が語る「斜視の原因はデバイスだけではない」

2016/10/18 06:30

grandeduc/iStock/Thinkstock
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仮想現実(VR)が楽しめるゴーグル型端末「PlayStation VR(PSVR)」について、あるPCパーツ販売員が「13歳未満のVRゴーグル使用は斜視になるリスクがあることを、それほど告知されていない」と注意喚起して話題になり、しらべぇでも彼に話を聞いた

さらに、しらべぇ取材班は、VRコンテンツ開発も手がける3DCGモデラー・まーてい氏にVRコンテンツの斜視問題について話を聞いた。



 

■VRコンテンツの斜視リスクに関する問題点

まーてい「第一に勘違いしてほしくないのですが、PSVRやほかのVRデバイスの不具合が原因で斜視リスクが発生しているわけではないことを強調しておきます。


もともと立体視を実現する人体の仕組みにおいて、斜視リスクが発生することを、興味関心がある人たちには知られていました。


VRコンテンツは、構造上、人体に健康被害が発生してしまう可能性があるハードウェアであることを、周知させる必要があると感じます」


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■今後VR機器の改良により斜視リスクは軽減するのか

まーてい「もちろん、今現在、常に世界中の研究機関や企業の研究部門で、VRデバイスの開発は進んでいます。しかし、斜視リスクを軽減させる改良がされるかどうかは難しいかもしれません。


VRゴーグルは人間の右目と左目に少し違う映像をみせて、脳にあたかも立体的な空間があるように誤認識させています。


人間の頭蓋骨が成長し瞳孔間距離が成長しきる10歳頃や、寄り目の調整機能が発達しきる13歳頃までは、悪影響を与えてしまうのはしかたないことです。


より高解像度化や、装着感を安定させる方向性の改良はなされていったとしても、原理的に斜視リスクをどうにかするのは難しいのです」


VRコンテンツは、原理的に斜視リスクを含んでいるようだ。だからといって敬遠するのではなく、正しく問題を理解した上で使用するのが正しい選択なのだろう。

臭いものには蓋をするのでは、根本的な解決には結びつかない。この面白くも新しいコンテンツが楽しめなくなるのは損失である。きちんと用法を守って、楽しむ道を模索したい。

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(取材・文/しらべぇ編集部・モトタキ 協力/3DCGモデラーまーてい

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