2次会はもう古い?飲み会前の「0次会」が女子の間で静かなブーム
その日、20代の会社員M君は、久しぶりの会社の飲み会だった。密かに想いを寄せるK子が来ることもあり、仲良くなることを期待していた。
とはいえ、参加人数の多い一次会はあまり話せないので、勝負は二次会だ。
あっという間に終わった飲み会後、M君は「2軒目どうする?」とK子に声をかけた。
しかし、K子は予想外な言葉を返すのだった。「3軒目になるし、遠慮しとくね」と……。
これは記者の友人男子の体験談だが、K子はなにも酒に酔って計算ができなくなったわけではない。
そうではなく、じつは彼女は親しい女子たちで飲み会の前に、別の店で一杯軽く飲んでやって来ていたというのだ。
飲み会が終わってから行く「2次会」と真逆の「0次会」なるものが、今、感度の高い女子を中心に流行り始めているという。
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■そもそも「0次会」って?
一体、彼女たちはどんな風に飲んで来たのだろうか? オッサンでも飲み会の前に立ち呑みで一杯引っ掛けていくことは普通にあると思うのだが、それとはどう違うのだろう?
気になった記者は詳しい人に聞いてみることにした。
教えてくれたのは、予約・顧客台帳サービス「トレタ」を運営する、トレタ株式会社・広報の田美智子さん。
彼女いわく、「0次会女子」には以下のような特徴があるらしい。
・0次会とは飲み会の前にいく飲みのことで、自分の時間を持ったり、気持ちを切り替えるために行く
・ひとりもしくは親しい数人だけで行くことが多い
・お店も立ち呑みを始めとする、カジュアルだがおしゃれで女性でも入りやすいお店が多い
・飲み会までの時間を潰したり、仲のいい人と話してから行く
・みんなより先に酔っ払いたい、気持ちをはやくほぐしたい
・「色んなお店に行ってみたい」というグルメな女性の価値観にもマッチ
・フランスでは「アペロ」という、食事の前にお酒を楽しむ習慣があるのでオシャレさも◎
要素のひとつひとつは酒飲みな男性でも共感できそうだが、面白いと感じたのは、0次会はひとり、もしくは「女子会」であることが多い、ということ。
そう考えると、2次会だけでなく0次会にも男子はお呼びではないのかもしれない……。
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■「0次会」で使用されるお店を取材
今ドキ女子の実態を探るべく、しらべぇ取材班も「0次会女子」たちが多く利用するというお店を尋ねることにした。
麻布十番にあるお店『いいと eat ikkai』だ。
店内に並ぶ机は高く、立食にも対応できるスタイル。もちろん背の高い椅子もあるので、立っているのが辛くなったら座ることもできる。
おしゃれな内装だが、外から店の中が見えるのであまり気張らずに入れそうだ。
店の人が言うには、「待ち合わせ場所として利用される人も多いです」とのこと.
「0次会」として利用する人が多いせいか、メニューもつまみ、串揚げ、焼き鳥など、頼みやすいものが多い。
カシューナッツ、クリームチーズが入ったポテトサラダ(500円)は絶品。ガリの甘酸っぱい風味が、チーズの味とよくマッチしている。
出汁巻き卵のタレかけ(800円)。出汁が今にもしたたりそうで、ふわふわの食感はとてもお腹に優しい。
その他にも新鮮で、身がぷりっぷりな生牡蠣や……
牛つくねとアボガドの太巻き寿司などが提供されている。
一品メニューのどれも400円~800円程度というお値段(生牡蠣は900円)。麻布十番という立地を考えると、お手頃な設定と言えそう。
こんな価格設定を可能にしているのも、「0次会女子」のようにちょい飲みを好む人が増えたからだそう。
そもそも、開店直後の17時代は客が入りにくい時間帯だったが、ちょい飲みの浸透で徐々に増えてきているそうだ。
昨今の女性(とくに若い女子)はお酒を飲まない人が増えているというが、嗜む人はより自由な形で楽しむようになっているのかもしれない。
【いいとikkai 】
住所 東京都港区麻布十番1-6-3 テラス麻布十番 1F
営業時間 月曜日〜金曜日 11:30〜15:00/7:30〜0:00 土曜日・日曜日・祝日 15:00〜0:00
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(取材・文/しらべぇ編集部・岡本拓)