話題作だけが映画じゃない 年末年始お勧めの2016年公開邦画3本

2016/12/31 06:30

2016年も多くの映画が公開され、『君の名は。』『シン・ゴジラ』『この世界の片隅に』など映画館離れと言われる中でも、大きな話題になった作品は少なくない。

近年では個性的な作品が増えことで、邦画もさまざまなアプローチが生まれ、超話題作や公開館数が少なくとも、興行的に成功する例も多くなった。

また劇場で鑑賞しなくてもDVDを購入したり、オンデマンドで視聴したり、映画を楽しむスタイルもまた多様化している。

そこで2016年に公開された邦画作品から既にDVD化されており、大きな話題作ではなかったが、この年末年始に「家でのんびり楽しめる」オススメ作品を3つ選んだ。


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①『セトウツミ』

(画像は公式サイトのスクリーンショット)
(画像は公式サイトのスクリーンショット)

劇場で鑑賞した人も「これは家で声出して笑いながら、ツッコミを入れつつ観たい」と、思った人が少なくないはず。

菅田将暉が演じる瀬戸と池松壮亮が演じる内海が、放課後に川べりでしゃべるだけ――で、ほとんどのシーンが完結している。

大きなクライマックスもなく、バカウケするのでもなく、ひたすらクツクツ笑ってしまうシーンの連続で、主演2人の組合せの妙を楽しむ作品だ。

オフィシャルサイトには予告編のほか、本編には出てこないバージョンもあるので、まずはそれだけでもチェックしてほしい。


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②『ヒーローマニア ―生活―』

(画像はDVD発売元公式サイトのスクリーンショット)
(画像はDVD発売元公式サイトのスクリーンショット)

落ちこぼれが集まって悪人をやっつける――というと爽快だが、中盤はお約束の“仲間割れ”もあり、最後まで飽きさせない展開。

主要キャストそれぞれに見どころがあるが、まずは主演・東出昌大のヘタレ具合が高得点。後半の峰不二子ばりの小松菜奈もいいのだが、それよりも序盤のブスっぷりが超キュートだ。

そして、片岡鶴太郎の年齢を感じさせない身のこなしも素晴らしいが、とにかく窪田正孝のアクションが、キレッキレである。

さらにもうひとり、謎の多い人物・宇野を演じる船越英一郎のハジケぶりも、ほかでは見たことのないレベル。

中盤に屋上で変なダンスを踊るシーンが出てくるのだが、劇場パンフレットによると柵のない危険な場所で、監督やスタッフは命綱をつけてCG処理するつもりだった。

しかし、当の船越が「いやいや、君は何を言ってるんだ、僕の職場は崖ですからね」と断ったという。

それぞれが体を張った作品ではあるが「職場は崖」の船越だからできたダンスにも、注目してもらいたい。


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③『殿、利息でござる』

(画像は公式サイトのスクリーンショット)
(画像は公式サイトのスクリーンショット)

原作の『無私の日本人』(著・磯田道史 文春文庫)も良い話なのだが、映画化に際しての構成もとても練られており、かなり泣ける作品だ。

メインキャストは主演の阿部サダヲをはじめ、演技派揃いかつコメディ巧者の役者たち。そのコミカルさが素晴らしいこともあって、終盤に全てをほぼ1人でひっくり返して「泣かせ」に持って行く妻夫木聡の演技が殊に際立つ。

また、出演時間は短いものの殿様役・フィギュアスケーターの羽生結弦選手を観るだけでも、「1,800円払う価値がある」と言っていた人もいるほど。彼がこの作品の舞台となった宮城の出身であり、絶対的王者であることも、殿様としての立ち居振る舞いに説得力を持たせているのだろう。

レンタルやオンデマンドで観られる作品を紹介したが、元日は月に1度のファーストデイでもある。

大きなスクリーンと設備の整った音響で楽しむのも、映画の醍醐味。初詣の帰りに、劇場へ足を運ぶこともぜひオススメしたい。

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(取材・文/しらべぇ編集部・くはたみほ

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