「45分間ひたすらカメラのボディーを磨く」だけの広告動画がすごい

2017/01/16 18:00

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(画像はYouTubeのスクリーンショット)

YouTubeを視聴すると、頻繁に広告動画を見かける。

それらは短いもので10秒ほど、長くても1分程度の尺。だがじつは、広告の長さに決まりなどはない。企業によっては、数十分に及ぶ広告動画を配信している例も。

しかもその数十分に飽きを一切感じさせない、絶妙な作りの動画もこの世に存在するのだ。


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■話題になったライカの広告動画

カメラメーカーのライカが2014年に配信した広告動画は、今でもしばしば話題になる。

これは『ライカT』という製品のアルミ削り出しボディを、職人が磨くだけの動画。本当に磨くだけ、である。その様子を、44分43秒にわたって延々と流すのだ。

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(画像はYouTubeのスクリーンショット)

アルミの研磨作業は様々な工作機械を使うものの、基本的にはほとんど手作業。ヤスリを使い、製品のムラを削り落としていく。

慎重な作業であるが故、動画の視聴者をぐいぐいとその世界へ引き込んでしまう。たまに映る職人の目は、真剣そのもの。製品の精度は彼の眼力と指先にかかっているのだ。

ライカの技術力が骨の髄まで味わえる動画でもある。


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■職人の技術力に感動

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(画像はYouTubeのスクリーンショット)

この動画のタイトルは『The Most Boring Ad Ever Made?(これまでのうち、最も退屈な広告動画)』。だがそのような自虐的なタイトルは、いい意味で「見当外れ」と言うべきだろう。

たった1台分のアルミボディーを完成品として仕上げるのに、熟練の職人がここまで時間をかける。そこにあるのは退屈どころか、感動だ。

紙ヤスリをかける音、工作機械の作動音が心地よいリズムとなって我々視聴者の鼓膜を揺さぶってくる。


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■科学立国の土台

ドイツと日本は、ともに「職人の国」である。マイスターや棟梁こそが社会で敬われ、権力者も彼らを大事に扱った。モノづくりこそが国家の基盤になるということを、誰しもが理解していたからだ。

そんなドイツは精巧なライカブランドのカメラを生み出し、それに刺激を受けた日本もやがて世界有数のカメラ生産国となった。

科学立国の土台を支えているのは、やはり職人たちなのだ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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