加藤一二三9段引退 駆け抜けた60年超の将棋人生に賞賛の声集まる

残りの対局で新たな記録を打ち立ててくれることをファンは信じていることだろう。

2017/01/20 17:30

加藤一二三

棋士・加藤一二三9段(77)の引退が決定した。公式戦出場最高齢記録を持つ加藤の引退に、労いと賞賛の声が集まっている。将棋界は名人を頂点にAからC2までクラスがあり、それぞれ人数制限を設け「順位戦」の成績で序列を決定。

C2では1度成績が悪くても降級することはないが、「降級点」かつけられ、3つ重ねると転落となりフリークラスになる。しらべぇでも既報のとおり、C2の加藤は60歳のフリークラス年齢制限により、転落すれば引退。油断できない状況にあった。



 

■19日、引退が決定

加藤が籍をおくC2には51人が在籍し、下位10名が転落。加藤は1勝7敗で19日には対局はなかったものの、競合相手であった棋士の勝利により、残り2局を残して下位10名入りが確定した。

20日に開催予定の棋聖戦など残りの棋戦では勝ち続ける限り対局できるが、すべてで負けると現役引退となる。報道によると、19日の結果を受けて加藤は以下のコメントを発表。

「まだ今後の対局も残っており、全力投球する所存ですので、進退に関するコメントは最後の対局が終わってからに致したいと存じます」


また、加藤は自身のツイッターで今後も将棋界で尽力する姿勢を見せていた。


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■神武以来の天才

1954年、14歳7ヶ月で史上初めての中学生プロ棋士となった加藤は、数々の記録を打ち立て「神武以来(我が国始まって以来)の天才」とたたえられた。

記録だけでなく、名人1期、十段(竜王)3期などタイトルを8期獲得。通算勝利数は1,323勝で歴代3位の偉業となる。近年はフジテレビ系『アウト×デラックス』などバラエティー番組にも出演。若いファンから「ひふみん」と呼ばれ親しまれてきた。


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■引退を受けファンは…

加藤の引退が報じられると、ファンは一斉にねぎらいと賞賛の声をあげていた。

https://twitter.com/harunopandachan/status/822232596411125760

ほがらかなキャラクターで老若男女問わず愛されてきた稀代の棋士の引退に、ファンは惜しみない声援を贈っている。

数々の偉業を成し遂げ、将棋の歴史を築き上げた加藤一二三。残りの対局で新たな記録を打ち立ててくれることをファンは信じていることだろう。


(文/しらべぇ編集部・サバマサシ

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