「街路か私有地か」が争点に 立ち小便裁判、二審で逆転有罪

2017/02/10 21:00

(ocipalla/iStock/Thinkstock)
(ocipalla/iStock/Thinkstock)

我が国の刑事裁判史上、とくに注目されるべき争いが現在進行形で繰り広げられている。

その内容を語る前に、まずは日本の裁判制度について説明しよう。

誰もが知っている通り、日本の司法は三審制を採用している。だがじつのところ、刑事裁判において最高裁まで争う例は少ない。芸能人の薬物事件ですらも、一審で終わることがほとんどだ。

それを踏まえた上で、本題に入ろう。



 

■立ちション現場は「街路」か?

2015年12月、大阪市福島区のビル駐輪場で男性A氏が立ち小便をした。

これは軽犯罪法違反に当たるとして検察が起訴したのだが、A氏は「立ち小便をした駐輪場は、街路でも公衆の集まる場所でもない」として無罪を主張。つまり、駐輪場は私有地だから刑法では取り締まることができないと言い張ったのだ。

この立ち小便裁判は、一審では「駐輪場は街路ではない」として無罪判決が出た。これを受け、検察は控訴。徹底的に争う構えを見せた。

そして今月、二審の判決が下った。結果は「逆転有罪」だ。


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■9,900円を巡って…

争点になったのは「歩道の存在」だった。

すなわち、現場の駐輪場は歩道と面していて、柵などもないから駐輪場は「街路」に該当するという判断である。A氏には科料9,900円が命じられた。

これに対し、A氏は上告すると言及。

先述の通り、刑事事件において三審まで争う例は少ない。最高裁まで行く裁判は巷でも注目されることが多いから、一般人はつい「刑事事件は多くの場合、最高裁まで争われる」と思い込んでしまう。

しかし、9,900円の科料の是非を巡って最高裁までいくのは、大変な勇気である。我が国日本の立ちション史上、まさにターニングポイントとなる裁判が始まろうとしているのだ。


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■じつはみんなやっている?

しらべぇでは、過去に「大人になってから立ちションをしたことがあるか?」という調査をしている。

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全国20代~60代の男性684名に聞いたところ、経験者は58.3%。なんと半数以上が「経験あり」と答えたのだ。

男同士が横に並んで立ち小便をするシーンは、何か大事な用件を打ち明ける時などにも重宝される。昨年のNHK大河ドラマ『真田丸』にも、そのような場面があった。

だがやはり、現代では場所を間違えると犯罪になってしまう。外での放尿はいくら気持ちいいからといっても、公衆の面前でやるべきものではない。

都市衛生の問題も絡んでくるため、自制が必要だ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo
調査期間:2015年11月20日~2015年11月24日
対象:全国20代~60代の男性684名

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