手のひらサイズの洗濯機が登場 注目を浴びるも「実証動画」存在せず

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(画像はKickstarterのスクリーンショット)

白物家電は「姿が変わりづらい」と言われている。

例えば、音響機器は進化を遂げるごとにその姿が大きく変わった。一番最初のウォークマンとiPodとでは、一目見て「これは違う」と理解できる。

だが、白物家電はそうではない。機能はともかく、見た目はいつまでも変わらないことが多い。

ところが最近、そうした「常識」を打ち破るかのような製品が登場した。


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■コンパクト洗濯機が1万円足らずで

クラウドファンディングサイト『Kickstarter』で、『WASHWOW』というものがキャンペーンを行っている。

これはポータブル洗濯機だ。「洗濯機がポータブル?」と思われるかもしれないが、その機能を見る上では紛れもなく洗濯機である。

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(画像はKickstarterのスクリーンショット)

手に収まるくらいの楕円形の装置を、水槽に入れる。それを作動させると、活性酸素を放出して水中の衣類の汚れを取るという仕組みだ。洗濯の所要時間は20~30分。

いくら何でも、これは本当か? と思ってしまうような製品だ。価格はKickstarterのキャンペーンでは536香港ドル(約8,000円)。非常に安価な値段設定である。


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■過去には類似品も

だが、じつはこれと同じコンセプトの製品がすでにあった。

それは『Indiegogo』でキャンペーンを行っていた『Dolfi』である。これは超音波の力により汚れを除去するものだが、使い方はWASHWOWとまったく一緒。

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(画像はIndiegogoのスクリーンショット)

だが、Dolfiは105万米ドル(約1億2,000万円)もの資金を集めたにもかかわらず、キャンペーン終了から2年経っても出荷されていないようだ。この遅れに対し、出資者から返金要求の声が相次いでいる。

Dolfiの開発者は、

「我々は、あなた方以上に出荷の遅れに対して苛立ちを覚えています」

という声明を出している。日本の製造メーカーの担当者が聞いたらまず驚き、続いて呆れる言葉だろう。ユーザー第一の立場に立っていれば、このような言葉は決して出てこないはずだ。


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■プロトタイプはあるのか?

DolfiとWASHWOWには、もうひとつ共通点がある。

それは、「実際にここまで汚れが落ちます」という実証動画がないこと。

WASHWOWのPR動画にはCGによる解説はあるものの、それを証明する実験などはない。となると、実用に足るプロトタイプが存在するのか否かという問題が生まれる。

したがって、この製品に対する出資も「投機的」と言わざるを得ないだろう。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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