6億円を集めた「暇つぶしキューブ」 出荷前にコピー製品が流通

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(画像はKickstarterのスクリーンショット)

以前、しらべぇで紹介した『Fidget Cube』という製品がある。

これは言わば「ただのスイッチ」で、指を動かすためだけに使用するもの。この発明品が、クラウドファンディングサイト『Kickstarter』で6億円を超える出資を集めたのだ。

プロジェクトは順調に進行すると思われた。



 

■本家よりも先に出荷

だが、そもそもクラウドファンディングとはリスクの大きい世界である。

それは出資者だけでなく、開発者にとっても同様だ。特許を取得しているわけでもなく、資金力のない状態から始めるクラウドファンディング。そのため、クラウドファンディングの製品をコピーして販売する行為が相次いでいる。

それは主に、中国の業者によるもの。構造が簡単な製品はすぐさま複製され、あとは中国の工場で大量生産されてしまう。

Fidget Cubeの開発チームは、先着250名を対象に製品を14ドル(約1,600円)の値段で提供していた。ところがプレオーダーの最中にコピー製品がAmazonに登場し、わずか4ドル(約450円)で販売されている。

当然ながら、Fidget Cubeは大損害を被った。しかも悪いことは立て続くもので、Fidget Cubeは当初発表していた初回出荷のスケジュールを遅らせてしまっている。なのにコピー製品はすでに市場投入されているという不思議な状況だ。


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■どんなものでも即座にコピー

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(画像はKickstarterのスクリーンショット)

このようなことは、Fidget Cubeだけの話ではない。

出資者への配送を控えている最中に、なぜか中国アリババ系列のショッピングサイトにその製品が売られていることが、ここ最近頻発している。

それどころか、本家は量産計画の行き詰まりで頓挫したものが、中国で難なく市場投入される例すらある。これは一面では中国の製造業の底力を示すものかもしれないが、やはり倫理的に許されるものではない。


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■クラウドファンディングのデメリット

しかし、クラウドファンディングにはそのようなデメリットがあるということを理解しなければならないだろう。

銀行やベンチャー・キャピタルから融資をしてもらうわけではなく、一般のネットユーザーから「資金をください」と懇願するのがクラウドファンディング。出展されている製品の信用格付けが低いのは当然だし、製品を提供する開発者側にもアイディア盗用の危険性が常に付きまとう。

その代わり、開発者は銀行相手にするべき営業努力から解放されるメリットがある。だからこそ、この世界は極めて投機的であるということを開発者は意識しなくてはならない。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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