「安田純平さんは謝罪すべきでない」「自己責任論は民主主義を知らない」 米国特派員が激白
シリアで3年半拘束され、先日解放されたジャーナリストの安田純平さんが、日本外国特派員協会で記者会見を行った。
11月9日、シリアで3年半拘束され、解放された戦場ジャーナリストの安田純平氏が日本外国特派員協会にて、会見を行った。
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■お詫びと感謝の言葉からスタート
安田氏は冒頭に次のように手短な発言を行ってから、質疑応答に移った。
「本日は貴重なお時間を割いていただきありがとうございます。今回、私の解放に向けてご尽力いただいた日本、トルコ、カタールをはじめとする多くの皆さま方、ご心配いただいた皆さまにお詫びしますとともに、深く感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。そして、今も行方不明になっている多くのジャーナリストたちの1日も早い無事の解放を祈っています。
今回、私自身の行動によって日本政府を当事者にしてしまったという点について、大変申し訳ないと思っています。今回、何があったか可能な限り説明することが私の責任であると思っています」
そして、一番最初に質問に立ったのはアメリカ人ジャーナリストで『新月通信』代表のマイケル=ペン記者。ペン氏は1970年ロサンジェルス生まれ。
カリフォルニア大学サンタバーバラ校卒業後、テキサス大学の中東センターで学び、1997年に日本語学習のため来日。2000年に北九州大学で講師の職を得て、2004年に友人らとボランティアで中東研究所を結成した。
講師を辞め、2010年に東京でテレビと紙媒体の中東関係リポーターとなり、新月通信社を設立。2015年6月まで外国特派員協会の第一副会長を務めていた重鎮だ。
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■安田氏は謝罪する必要はない
ペン氏は次のようにいった。
「先日、国境なき記者団が、ステートメントを発表しています。その声明の中身は、『安田さんは謝罪すべきではない、謝罪する必要がない』という内容のもの。
『謝罪するのではなくて、むしろ歓迎をされるべき、評価をすべきだ』という内容になっている。
その声明の内容、そして日本社会、日本の市民が期待していること、日本の社会の状況というのは、ある意味で異なった常識があると感じる。
ジャーナリストの仕事は、危険なところに行ってそこの現場で起きていることを取材する、そしてそれを伝えるということ。政府などに管理されコントロールされる内容ではなくて、現場での情報を伝えるということがジャーナリスト本来の仕事になります。
世界で活躍するジャーナリストとしては、本当に謝罪をする必要があると考えられているでしょうか」
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■「行動にいくつかのミスがあった」
安田氏は次のように応えた。
「報道、ジャーナリストの仕事が政府であったり権力にコントロールされるものではないということについて、全面的に賛成いたします。
今回、謝罪といいますか、私自身の行動に幾つかのミスがあったということは間違いないので、この点について皆さまのご批判をいただいて、今後に生かしていくために、まずごあいさつといいますか、『ご批判をいただくに当たってお詫び申し上げます』ということを申し上げています」