【コラム】今すぐ銃殺したい!イラつくポジティブ教呪文トップ5(偏差値つき)

gun山本一郎です。梅雨なのか夏なのか分からない鬱陶しい季節になってきました。

そんな季節にもかかわらず、ポジティブワードを振り撒いて前向きに生きようとする人たちがたくさんいらっしゃいます。ご苦労なことで。まあ前向きに頑張るのは本人の自由ですし、好きにやってくれればそれでいいんですけど、一番困るのは他人に「ポジティブワードをふりかける」奴らですよ。

「山本さん、くよくよしないで、まずアクションですよ!」とか声をかけてくる馬鹿のお陰でどれだけこちらが「イラッ☆」としているか気づいて欲しいわけですね。一人で前のめりに倒れてろ。そしてそのまま階段から落ちて死ね。そのように思うわけです。

しかも、困ったことにこの手のポジティブ教信者は増殖中です。「前向きな言葉を表に出せば、すべてのことがうまくいく」というのは、逆に言えば「うまくいっていないのは、前向きな言葉を言いそびれたからだ」と思ってるわけですよ。なので、お前の人生とは必ずしも関係ない私にまで前向きな言葉をかけてくるのは大きなお世話なのであります。

というわけで、とある番組でリサーチした『自分を励ます効果的な言葉』で回答された約2500ワードのうち、もっとも猛威を振るっているであろうクソのようなポジティブワードをKJ式で集計。上位30ワードを男女868人に「嫌いですか? 嫌いだとすると、どう嫌いですか?」と質問。複数回答についてはバイアスを調整した数値を偏差値にして、「ウザ☆ポジティブワード」トップ5を出してみました。

下位にも『みんな大好き』『よし、やるぞ』『いつも前向きな自分が好き』など、破壊力抜群の「自分の中だけで思ってろ」ワードが盛りだくさんですが、うっかり他人に言うと銃殺待ったなしのマジイラワード群を掲載だ!

 

第5位 『感激しました』『感動しました』『感心しました』『感銘をうけました』(偏差値 64.0)

いますねえ、いつでも何か感じて心が動いてる人。この辺のフリーワードをまとめて5位としました。「一人で感動してろ」「10代20代のころは何でも『やべえ』とか『パない』って言ってた人が、結婚して子供抱えて落ち着いたらこの言葉を吐き始めます」という冷静な分析をされたコメントが光ります。

「映画でも感動した、泣けたとかの感想しか言えない小学生みたいな人」「ポジティブな人にうっかり親切をすると過剰に感激されてうざい」など、ポジティブ教に塗れた不動の人間のクズ特有の口癖がこの辺なのかもしれませんね。「心のアップダウンが激しすぎて、ポジティブ以前についていけない」という受け手の心理、分かります。

 

第4位 『毎日1%成長すれば人間は変われる』『ほんの少しずつ変えるだけで成功する』 (偏差値 64.3)

いわゆる実らない努力は無い系の精神論のポジティブ版がこれ。1%ずつ良くしていけば数年後には凄い成長になるという人が、特に女性に多いようです。お前なあ、人間の成長って複利じゃないんだよ。「こういう人に限って、良く分からない資格取得の勉強をしている」「40代の未婚女に限ってこの手の発言をしてお局と陰口を叩かれる原因になる」など、特定の人物を思い起こして回答される事例が多数となり上位入賞となりました。

「そりゃ良くなる努力は必要だけど、わざわざ他人になぜ言うの」という身も蓋もナッシングな意見が素敵ですが、一方で「元値がゼロだったら何%成長してもゼロのままだとなぜ気づかない」「変わると言ってもマイナスに変わる事だってあると思うので」「今、人間としてマイナスな人が、どんどんマイナスになっていく」などの冷静なそもそも論もこのワードに対するリアクションで特徴的でした。

第3位 『悩むより、まず行動』(偏差値 67.5)

さまざまなバリエーションはありますが、共通しているのは前を向いて“動け”という背中を押す系のポジティブワード。この世の中には考えなしに動く馬鹿が多いからあちこちぶつかって地獄のような情景が広がっていることに対する理解さえもないようです。

「もう充分余計なことをしている人ほどアクティブに動こうとする」「迷惑しか感じない」「脳みそが本当に筋肉でできてるんじゃないかと思う」など、酷評続々で心が穏やかになります。「行動を重視する人ほど、周囲から見ると行動を抑制したくなることしかしない」など、トラブルメーカー御用達ワードとなっておるようです。

「本人は、やらないよりやって後悔するっていうけど、周辺はぶんぶん振り回されるだけ」という言葉に代表されるように、もはや悩むという能力すらない肉体派の人が迷惑を顧みずに体力の限り動き続ける心象風景が私たちの心に語りかけるものはなんでしょうか。

第2位 『すべての人に、感謝』 (偏差値 67.7)

「ただひたすらにウザい」と主に若者層に抜群の不評を買っての2着。この辺は世代差があるようで、「もう誰も聞いてないようなヒップホップの歌詞を真に受けてるすぐ上の年の人が言う」と若者が言ったかと思えば、むしろ年齢層が上がると「口ではみんなに感謝とすぐ言う割に、私には感謝したり親切にすることがない」と有言不実行の極みが散見されて素敵です。

他にも「お前の感謝は安っぽすぎる」とか「口だけで感謝する奴はポジティブでも信用できない」などの悪評紛々というのは結局のところ、「分かったから、いちいち言うな」というポジティブワード全体を覆う不快感に直結しているのでありましょう。

第1位 『頑張ってる自分にご褒美』(偏差値 68.0)

絶対に許せないポジティブワード1位に輝いたのは『自分にご褒美』!! …死ね!!!

10代から50代まで圧倒的な不快感を醸し出す魔法のワードが1位です!

許せないですね、こういう自分で自分を甘やかす行為は。アンケート回答者と私の魂がいまひとつになった気分がします。「週に1回やたら混むホテルのケーキバイキングで、頭の悪そうな女子がタムロって念仏のように『自分にご褒美』とか言い合っているのを見るとライダーキックしたくなる」「自分で自分を褒める行為って、やりすぎると一周回ってただの自殺なんじゃないかと思う」「付き合ってる女がこれを連発するので別れました」など、お前ら全員風邪ひけ馬鹿と言いたくなるようなエピソードが満載過積載。

この際限の無い自分愛を惜しげもなく前面に出したポジティブワードこそがいまのニッポンの空虚な精神文化を言い表しているように思うわけでありまして、アンケートからも「頑張った結果がそれか」「何に頑張ってるの? って聞くとネイルって言われた。殺意が湧いた」といった、お前それじゃないだろ感はひしひしと伝わってくるんですよね。

この手の口に出してウザがられる系のポジティブワードというのは、本当に本人が前向きなのではなくて、前向きな自分を認知して欲しいという自己愛の延長線上であることは間違いありません。

私が思うのは、人間は平常心を心がけよ、ということであります。確固とした自分があり、したいこととできることに向かい合えれば、多くの事柄を無理なく手がけることができるようになるのです。むしろ、家族や友人に無闇矢鱈なポジティブワードを並べる人間がいるようなら、きっと彼は自分自身に自信がなく、不安なのかもしれません。

これから夏本番、かなり蒸し暑い状態でこのようなポジティブワードで一層のむさ苦しさを満喫せぬよう、日々を平静に過ごせることをネットの向こう側から祈っております。

(文/山本一郎

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