【レポート】先頭は14時間並んだ…高田馬場の人気ラーメン店・べんてんが閉店
早稲田大学をはじめとした複数の大学が立地する学生街であると同時に、ラーメン激戦区としても知られる東京・高田馬場。この地で2014年6月28日土曜日、1軒のラーメン店が19年の長い歴史に幕をおろしました。
その店の名は、「べんてん」。通常のラーメン店で出される麺量の2倍以上というボリュームと魚介醤油の濃厚さが高い人気を集め、連日行列が絶えなかった名店です。
“べんてん閉店!”の衝撃がネット上で拡散すると、閉店日が近づくに連れそれを惜しむファンが続々と集結。開店前の早い時間から並ぶ人が増えていき、麺切れ終了時間は徐々に早まっていきました。閉店前日の27日には、なんと午前9時過ぎに並んだ人の時点で麺切れ終了が言い渡される事態になったそうです。
そして迎えた営業最終日の28日。しらべぇ編集部は閉店を惜しむファンが列をなす「べんてん」に足を運びました。
開店前の午前10時過ぎ。店の前から神田川沿いに100メートルほどの列が見られます。その数、数えてみると約150人。雨の中、最後のラーメンのために並ぶ勇者たち。ビニール傘をさしている男性が全体の9割ほどを占めます。
行列前方に並ぶ大学生カップルに話を伺いました。2人は早稲田大学の学生さんだそうです。
「先頭の人は昨日の夜9時ごろに並んでます。僕らは昨夜の11時ぐらいに並んで30番目くらいですかね」
なんと、行列先頭の男性はオープン時間の午前11時の14時間前から一歩も動かずに店の前で並んでいたそうです。
さらに、お店の近くに住んでいるという40代の男性にも話を伺います。
「ぼくは4時頃早起きして並びました。整理券が150番まで配布されるんですけど、整理券配布が終わったのが今朝の6時15分ごろですね。千葉から来た人で始発でギリギリ間に合った人がいて喜んでましたよ」
おそるべし、熱狂的べんてんファンたち。特に、1杯のラーメンのために14時間並ぶ先頭打者のその情熱、恐れ入ります!
取材中、お店の前を訪れて麺切れ終了を知り、絶望するファンの方も何人か見かけました。降り止まない小雨の中、じっと絶えるようにして最後の一杯を待つストイック勇者たちを横に、高田馬場をあとにしました。
(取材・文/しらべぇ編集部)