「他人から個性的と言われた割合」と「自分で個性的と思う割合」比較してみた!
「個性的な人を募集します!」という文言は、いまや企業の採用ページ内で頻繁に見られる“没個性的”なものとして広く知られています。いつのころからか、私たちは「個性」という言葉が氾濫する世の中を生きるようになりました。
個性という言葉は、私たちのあいだでおおむね褒め言葉として理解されています。かりに、初対面の人から「個性的ですね!」と言われた場合、大半の人が悪い気をしないのではないでしょうか。もともと決してプラスの意味が含有されていたわけではないはずのこの言葉ですが、このようにプラスの意味を感じさせる状況になっているのは、考えてみると不思議なものです。
■「個性的」と言われたことのある人は3割超!
今回はこの「個性」に着目して調査をしてみることにしました。個性尊重のこの時代、人は他人からどれだけ「個性的」と言われているのでしょうか。
【20~60代の男女1500人に聞いた】他人に「個性的」と言われたことがある人の割合:36.9%
3割以上の人が、個性的だと言われた経験があるようです。この結果、世代別に見てみると、若い層のほうが割合が高いことがわかります(下記参照)。いまの若者は、個性社会の申し子なのかもしれませんね。
【世代別】他人から「個性的」と言われたことのある人の割合
・20代:41.7%
・30代:36.7%
・40代:38.0%
・50代:33.7%
・60代:34.3%
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■一方、自分自身を個性的だと思っている人の割合は…
以上が他者からの個性評価だとすれば、自分自身に個性的だという評価を下している人はどれくらいいるのでしょうか。そこで、今度は自分のことを個性的だと思っている人の割合について調査してみました。
【20~60代男女1500人に聞いた】自分のことを「個性的」だと思う人の割合:28.9%
結果は、3割を下回りました。個性にかんする「他者からの評価」と「自己への評価」を比較してみましょう。
・他人に「個性的」と言われたことがある人の割合:36.9%
・自分のことを「個性的」だと思う人の割合:28.9%
全体の割合で見ると、他者から個性的だという評価を受けた割合のほうが、自分自身を個性的だと思う割合を上回る結果がでました。ちなみにこの不等号、20~60代のすべての世代において同じでした。
この結果、どういうことか考えてみましょう。仮に日本人を1人の人格として見た場合、「みんなが思うほど僕は個性的じゃないよ」という謙虚な(?)立場でしょうか。それとも、「みんなにはとりあえず個性的と言っておこうか」という円滑な人間関係をつくるために打算的な言動をする立場でしょうか。そう考えてみると、なんだかおもしろい妄想が広がります。
ただ冒頭に書いたように、個性的であることが称揚されているこの日本ですが、自称他称かかわらず「個性的」と答えた人は全体の半分にもなりません。そう考えると、私たちは案外、「個性という言葉に踊らされているわけではない」のかもしれないという仮説を持つことができそうですね。
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2014年7月22日(火)~7月25日(金)
対象:全国20代~60代 男女ユーザー計1500名
(文/しらべぇ編集部)