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【法律コラム】漫画「ハイスコアガール」問題で考える~著作権って何だろう?~

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しらべぇ読者の皆さん、こんにちは。弁護士の佐藤大和です。

先日、押切蓮介さんの人気漫画「ハイスコアガール」がゲームのキャラクターを無断使用していたとして、ゲームメーカーSNKプレイモアが、出版元であるスクウェア・エニックスを刑事告訴したというニュースがネット上で話題になりましたね。

三度の飯より漫画大好きで、今話題の「るろうに剣心」を子どものころに読んで、自分も剣心のように、たくさんの人を守りたいと思い弁護士を目指した筆者としては、大変気になる話題です。

この「ハイスコアガール」は、1990年代のアーケードゲームをめぐる少年少女の青春を描いた漫画で、他にも、セガの「バーチャファイター」、カプコンの「ストリートファイターⅡ」など当時の人気ゲームがたくさん登場しているそうです。しかも、それぞれの会社に対して、ちゃんと許諾をとっていて、なんとゲーム会社とのコラボ企画まで行われていたようですね。

今回の事件でのSNKプレイモア側の主張は、株式会社スクウェア・エニックスに対し、「ハイスコアガール」の電子書籍、単行本、月刊誌その他の販売の即時停止を再三申入れしたが、なんら誠意ある対応がされなかったため、やむを得ず、株式会社スクウェア・エニックス及び同社出版部門の関係者を、著作権法第119条第1項により刑事告訴したということです。

著作権法第119条第1項? う~ん、少しわかりづらい内容ですね(苦笑) 一体何が問題だったのでしょうか?

なぜ、スクウェア・エニックスがSNKプレイモアに許諾を取っていなかったのか、現段階では真相はわかりませんが…。今回は、この事件を題材に「著作権」について解説していきましょう!

■まず著作権って何だろう?

著作権とは、簡単にいえば、自分で創作した絵や音楽、作品等を自由に使用・処分等をすることができる権利のことをいいます。

もっと簡単にいえば、自分のオリジナル作品を独占できる権利ということですね。

ところで、この著作権というのは、意外に知られていませんが、複数の権利を総称する言葉なのです。その複数の権利とは、複製権や上演権・演奏権、公衆送信権等の権利をいいます。

では、今回の事件に戻ってみましょう。

今回の事件の問題点は、押切さんのコミックで、株式会社SNKプレイモアが著作権を有するゲームのキャラクーを許諾なく複製使用をしていたことです。これが、119条1項に違反して問題となったのです。

■複製権って何だろう?

先ほど説明した通り、著作権の一つに複製権という権利があります。この複製権とは、自分のオリジナル作品を複製(コピー)する権利のことをいいます。つまり、自分のオリジナル作品を複製(コピー)するかしないか、他人がコピーしても良いか、それともダメかは、著作権を有する人(=著作権者)の自由ということです。

そのため、原則として、他人の作品をコピーするには、著作権を有する著作権者の許諾が必要ということになります。

■キャラクターの絵を無断に描くのは「複製」にあたるのか?

ゲームのキャラクターは、自分で創作した絵なので、やっぱり勝手に描くことも「複製」に該当してしまい、原則として、著作権者の許可が必要となります。

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たとえばこちら。当事務所のキャラクターで「六法レンジャー」といいます。可愛いですよね。これがもし、他で勝手に描かれていたら、「こらー!」ということができるということですね。

■どんな場合でもダメなの?

では、どんな場合でも勝手に描いてはダメなのでしょうか? 例えば、お母さんが子供に漫画の絵を描いてあげたら、著作権法違反になるのでしょうか?

これでお母さんが著作権法違反と言われたら、ちょっと納得できませんね。それにいちいち許可を求めていたら、大変ですよね?

実は著作権法では、例外的に『私的使用の範囲内』であれば、複製権侵害とならないとしています。つまり、自分たちのなかだけで楽しむ範囲内であれば、問題ないということですね。

ですので、先の例だと、お母さんは著作権法違反になりません。世の中のお母さん、安心してくださいね。

■今回の事件ではどうすればよかったのか?

自分で描いたオリジナルキャラクター以外のキャラクターを描く場合には、そのキャラクーの著作権を有する者に「使ってもいいですか?」と確認をして、「OK」と言われてから描くべきだったといえますね。

今回は、ちょっととっつきにくい著作権をできるだけわかりやすく説明してみましたが、いかがだったでしょうか?

意外な落とし穴にはまらないように、創作活動をされている皆さんは気を付けましょうね!

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(文/弁護士・佐藤大和

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